厚生労働省による生活保護監査の大転換、きっかけとなった2つの事件-福祉事務所による“人権侵害”


【写真】生活保護行政の“転換”となった事件

重点事項は「権利侵害の防止」

 具体例として示されたのは、「預貯金・現金の保有、ライフラインの記載がなく、相談者の急迫状況の確認を行っているか判断できない事例」、「保護申請には同居する世帯全員の同意が必要であると誤信させるおそれのある事例」、「本来保護申請に必要のない書類の提出を予め指示し、提出がなければ申請できないと誤信させるおそれのある事例」等々。

 これらは、厚労省が禁止する「申請権の侵害、または申請権を侵害していると疑われる行為」、すなわち、権利侵害となる。

 さらに厚労省は、「多数の実施期間において、複数年にわたり、同様の指摘が繰り返されており、効果的な監査が行われていない状況が認められた。これは、是正改善報告の審査及び実施方針等の策定についての指導が不十分であったことも一因であると考えられる」と続ける。

 責任は、福祉事務所だけでなく、繰り返される権利侵害を止めようとしない都道府県や指定都市にもあるとしたのである。



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