韓国焼酎と思って乾杯したら「メイド・イン・タイ」…バンコクにあふれる“なんちゃって韓国酒・食品”


しかし、その“緑の瓶”をよく見ると、ラベルには「乾杯ソジュ」といった見慣れないブランド名が書かれていた。外見こそ韓国の焼酎とそっくりだが、実はすべて現地で生産された“韓国風”の模造酒だったのだ。

「乾杯ソジュ」は、タイの酒類メーカー「タイ・スピリッツ」が製造・販売する商品。実際に韓国人の間では「甘すぎて韓国のソジュのすっきり感がない」とされているが、見た目があまりにも酷似しているため、地元消費者だけでなく、韓国人観光客ですら偽物と気づかずに手に取るケースが続出している。

さらに「太陽ソジュ」「贈り物ソジュ」など、同様に“K風”を装った現地焼酎もコンビニ、スーパー、パブなど幅広い販路で流通している。その最大の理由は「価格競争力」。現地産は韓国製品に比べて30%以上も安く、店側・消費者双方から支持を集めているのが現実だ。

バンコクを訪れたある韓国人観光客は「ハングルで『ソジュ』と書かれていて、価格も安いので韓国の中小企業が輸出したのかと思った。まさかタイ製とは思わなかった」と驚きを隠さなかった。

模倣は焼酎だけにとどまらない。バンコク市内の大手マートでは、「ヤンニョムソコギ(味付け牛肉)」と書かれたラーメンが、農心・オットゥギ・三養食品と並んで陳列されていた。一見すると韓国製に見えるが、実際はタイ企業が製造した商品。辛さを強調したパッケージも、韓国ラーメンにそっくりだ。

韓国関税庁の統計によると、2023年の韓国製ラーメン輸出額は12億4850万ドル、ソジュは1億451万ドルと過去最高を記録。しかし、こうした“コピー商品”が実際の消費者接点で韓国ブランドを先取りしてしまうという皮肉な状況も起きている。

このままでは、見た目だけを真似た品質の劣る製品が「K-ソジュ」「K-フード」と誤認され、長期的には韓国ブランドの信頼性を損なう恐れがある。業界内からは、海外市場での商標保護を強化すべきだという声も上がっている。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News

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