大阪・関西万博が絶賛開催中の大阪。インバウンドの影響もあり、このGWはたくさんの観光客が押し寄せた。現地の様子はどうだったの? これから大阪観光を計画される方も多いと思うので、ぜひご参考に!
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■西成や飛田新地はどうなっている!?
万博とインバウンドの影響で観光客が増えたGWの大阪。キタやミナミの繁華街はどうなっていた? 日雇い労働者の街として知られる西成は? そして夜の街・飛田新地は? これから大阪観光を計画する人にはぜひ参考にしてほしい現地ルポをお届けします!
いきなりキタやミナミの人の波に突撃する前に、まずは肩慣らしとして、人が少なそうな西成に行ってみた。
この地の象徴だった「あいりん労働福祉センター」は2019年に閉鎖。その後、センター周辺の路上生活者たちは強制排除された。こうした影響もあってか今は西成の街を歩いても、日雇い労働者らしき人はほとんど見かけなくなっている。
西成の中心にある飛田本通商店街近くのお好み焼き屋の店主に話を聞いた。
「労働者も高齢になって引退してますからね。消えたのも当然です。その代わり、円安の流れもあって海外の若いバックパッカーが増えてきてこんな状態ですわ(笑)」
指さしたのがビールサーバーの横に貼られたさまざまな国の紙幣。なるほど、いろんな国の人が西成に来ていることがわかる。万博の影響はあるのか聞いてみた。
「欧米の人が増えました。これまではアジア系の人が多かったんですけど、今では欧米7対アジア3ぐらいの割合になってます」
続いて向かったのは、飛田本通商店街にあるクラシック音楽バー「ココルーム」。クラシックファンに人気のあるスピーカー、タンノイで音楽を聴かせてくれる本格的なバーだ。なんと、ここに万博のイタリア館でオペラを上演すると話す人たちが訪れ、店で大合唱したという。店主の佐竹昭彦さんに話を聞いた。
「店の閉店間際にイタリア人と日本人が団体で来られました。せっかくイタリアの方が来店されたので、ユーチューブでイタリアの有名な曲を探してそれを流したところ、みんな喜んで歌い始めて、最後は大合唱です(笑)。
万博の影響はありますねえ。これまで外国人のお客さんは週に1組ぐらいだったのが、4月になって週に2、3組来るようになり、以前の倍かそれ以上になってます。商店街を歩いても外国の方が増えたのがわかりますから」
万博絡みの外国人観光客が増えて、ウハウハの声が聞こえてきた西成の街だった。
その西成の一画に夜の街・飛田新地がある。西成の観光客増でこちらもにぎわっているのではとのぞいてみた。
日が落ちるぐらいの時間帯。欧米系の外国人グループが歩いている。30代、40代前後で5人から10人くらいのグループだ。よく見ると、なんと半分が女性。ぐるぐる歩き回り、飛田新地の出口の辺りで集合し、最後はガイドの話に耳を傾けていた。
実は、この外国人ツアー団体が飛田新地の売り上げに悪影響を及ぼしているという。この地で働く女性に聞いた。
「万博? もう早よ終わってほしいわ。万博始まって日本人も外国人も確かに増えた。ただ、増えたのは客やのうて、道を歩く人だけ。店に上がってくれる客は増えてへん。むしろ減ってるかもしれん」
その理由を尋ねると……。
「外国の男性も女性も一緒に歩き回るの、あれはやめてほしい。あんなにぎょうさん女の人がおったら、男の人が店に上がれへんのは当然や。日本人のお客さんも外国の女の人がぎょうさん見張っている中、上がるのはイヤに決まってるやん」
確かにインバウンドは西成の街を活気づけているようだが、飛田新地はマイナスの影響を受けていた。