「ババァと一緒になるわけないだろ」現場には“血を流して倒れる男”…61歳女性が「ホームレス状態から救ってやった男」を殺害した理由(平成11年)


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「はやくしてよ! 死んじゃうよぉ」

「はやくしてよ! 死んじゃうよぉ」

 狼狽えた女性が救急隊員を店内へ案内、そこには座敷があり、男性が血を流して倒れていた。男性は心肺停止状態、床の上には血だまりができていたことから、救急隊員は女性に事情を聞いた。

「どうしたの、誰がやったの? あなたがやったの?」

 しかし女性は顔を背け、返答をしない。少し後、警察官が臨場した際には再び「どうにかしてよ!」と興奮した様子だった女性を見て、警察官は「あなたがやったのか」と確認した。

 女性は、「私がやった」と警察官に告げた。

殺されたのは

 田中さんは仕事がなかなか長続きしなかったといい、知り合った当時はホームレス状態だった。美津代と知り合って以降、その生活のほとんどを美津代の世話になっていた。美津代自身、姉御肌だったこともあって、14歳も年下の田中さんの世話をしながら居酒屋を切り盛りしていた。

 事件があった日、実は田中さんの就職が決まったことで、閉店後ふたりで前祝をしていたという。美津代にしてみれば、どれほどこの日を待ち望んだかわからないほど、うれしいことだったようだ。



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