【AFP=時事】ロシアがカザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地からの撤退を検討しているとの報道が飛び交う中、カザフスタン政府は15日、同基地のリース契約について、中途解約に関する協議は行われていないと発表した。
ロシアは、宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に送るために同基地を利用している。だが、西側諸国との協力を継続している数少ないプロジェクトの一つであるISSから、早ければ2028年にも撤退する意向を示している。
このためバイコヌール宇宙基地の地位は危うくなっており、カザフスタンのメディアは、ロシアが2026~28年に同基地のリース契約を破棄する可能性があると報じている。
だが、カザフスタン航空宇宙産業省はAFPに対し、「リースの中途解約、またはバイコヌール市のカザフスタン側への完全な管理移管については、現時点では検討されていない」と述べた。
ロシアは、極東にあるより近代的なボストチヌイ宇宙基地を含め、自国領内の他の宇宙港の開発を加速しようとしている。
ロシア政府はバイコヌール撤退の可能性についてコメントしていない。
ロシアはカザフスタンに年間1億1500万ドル(約168億円)の使用料を払ってバイコヌール宇宙基地を租借しており、現在のリース契約は2050年まで有効。
老朽化したバイコヌール宇宙基地を改修するため2004年に開始された近代化プロジェクトは、資金不足と、2014年のロシアによるクリミア併合および2022年以降のウクライナ侵攻に伴う不確実性によって、計画より遅れている。【翻訳編集】 AFPBB News