「議会への冒涜に、言論の封殺。知事のワンマンを止められる者はいません」
こう嘆息する県関係者が「週刊文春」に寄せた証言から浮かんだのは、茨城県知事が起こした信じられない出来事の数々だった。
「週刊文春」では3月20日号から 、大井川和彦知事(61)による約8年の県政下で県職員の自殺者数が13人にのぼり、精神性疾患による休職者が100人超となっていることなどを詳報。背景に知事や県幹部のパワハラ疑惑があることを報じてきた。
「知事は自分の意に沿わない職員に対して『バカ』『死ね』『出ていけ』などと暴言を吐く。時と場所をわきまえない傍若無人なふるまいに、職員らはふりまわされてきた」(茨城県議)
大井川氏は今秋の知事選へ意欲を見せ、三選の公算は大きい。本年度の当初予算案も同氏が掲げる「新しい茨城づくり」を柱とし、3月の県議会で可決された。
しかし、そんな県議会のさなかに「知事としての資質を疑う瞬間があった」とするのが冒頭の県関係者だ。
「3月6日、県議会の一般質問の終了後、一般質問を行なった設楽詠美子県議(当時。4月から筑西市長)が、議事堂のロビーで知事や後援者らと記念撮影をしていたときのことでした」
撮影を終えた知事が立ち上がると、設楽議員に向かってこう罵倒したのだ。
「いつも失礼な質問ばかりするね!」
突然の知事の発言に、設楽議員やその場にいた後援者らも唖然となった。
一連の経緯について大井川知事に尋ねると、設楽氏への発言については、以下のように回答した。
「議会での一般質問終了後の写真撮影の場で、設楽議員から『先ほどは失礼しました』と声をかけられたので、『失礼な質問ばかりですね』と答えたのは事実です」
だが、問題はこれだけではなかったーー。
現在配信中の「 週刊文春 電子版 」および15日(木)発売の「週刊文春」では、罵倒事件と同月に地元ラジオ局・LuckyFM茨城放送で起きた“撮り直し”事件と県側の関与について詳しく報じている。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月22日号