大阪府の吉村洋文知事は17日、自身のX(旧ツイッター)を連続更新し、1970年に開催された大阪万博のシンボルとなった「太陽の塔」が重要文化財に指定されることが決まったと報告した。その上で、現在開催されている大阪・関西万博会場に設置されている「大屋根リング」に触れながら「大屋根リングの価値は高いと思います」と、訴えた。
吉村氏は16日、「太陽の塔」について重要文化財指定の答申が出たことを受けて取材に「大変意義深い。今度は世界遺産登録を目指す」と語った。17日未明の投稿では、その際の自身のコメントが記された記事を引用しながら、「70年万博の象徴である『太陽の塔』が国の重要文化財に。太陽の塔は、今の大屋根リングと同様、閉幕後は撤去される予定でしたが、素晴らしい価値があると残置され、今日の日を迎えました。次は世界遺産を目指します」と、つづった。
続く投稿では、1周約2キロあるリングのうち、約600メートルを当面保存するよう提案している自身の立場について報じた記事を引用しながら「僕の意見は現在少数派です。このままいけば完全撤去です。『太陽の塔』が重要文化財に指定されます。実は、太陽の塔も当時は撤去予定でした。大屋根リングの価値は高いと思います」と記載。万博終了後、当初は撤去予定だった「太陽の塔」が保存を経て今回、重文指定が決まった経緯に触れながら、「大屋根リング」の価値について持論を訴えた。
「大屋根リング」は当初から解体が既定路線で、設置自体に批判が強かったが、万博開幕後は、その場所から見える景色もあって、来場者からは評価の声も増えている。ただ、保存となった場合はコスト面の問題が立ちはだかり、もし10年残す場合でも約17億円かかると試算が出ている。ただでさえ、開幕前から公金の投入に厳しい声があり、保存への道のりは見通せていない。