自衛隊T-4練習機墜落 「入鹿池は偶然か意図的か」 元統合幕僚長が語る自衛隊パイロットの“決断” 離陸後2分間に一体何が? 愛知・犬山市 【大石邦彦が聞く】


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まず、T-4練習機は、中等練習機としてパイロットの養成に使用されるほか、多用途機としても運用される汎用性の高い機体です。今回は、修理のため小牧基地へ向かうF-15戦闘機に随行する任務に就いていました。任務を終え、T-4練習機で小牧基地を離陸し、所属基地である宮崎県の新田原基地へ向かう途中でした。

一般的に航空機事故の要因として考えられるのは、主に以下の3点です。

1.機体トラブル
2.操縦ミスなどの人的要因
3.天候

元自衛隊トップ、大学教授、愛知県内の空域に詳しいベテランパイロットらに多角的に取材しました。

■目撃証言から検証する墜落の状況

事故当日は晴天で視界も良好であり、風もほとんどなかったため、天候が事故に影響した可能性は低いと考えられます。そうなると、機体または人的なトラブルの可能性が高まります。離陸直前の検査では機体に異常はなかったとのことですが、離陸直後に不測の事態が発生しました。低空飛行中であったことを考慮すると、バードストライクの可能性も否定はできません。ちなみに、パイロットの2名は、航空自衛隊の幹部クラスである1等空尉(飛行時間約1170時間)と2等空尉(飛行時間約480時間)でした。

かつての自衛隊トップで元統合幕僚長の河野克俊氏を取材し、目撃証言から検証してみました。まず、1つ目の目撃証言は、「機体を方向転換させて池に落としたように見えた」というものです。これについて河野氏は「事故を起こさないことが大前提だが」と前置きした上で、「過去にも有事の際は市街地を避けて墜落させたこともあった」と語りました。確かに、住宅地などに墜落すれば、一般市民を巻き込む大惨事となるため、市街地を避けて墜落させる指導もあったということです。



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