江藤拓農相が19日、石破茂首相と首相官邸で面会後に、コメを巡る自身の発言などについて記者団に説明した内容は次の通り。【内田帆ノ佳】
記者 首相とどういった内容を話したのか。
江藤氏 首相と林芳正官房長官とお会いした。首相からは「今回の発言は消費者の方々、国民の皆様方、生産者の方々に対しても大変不適切だ」と、大変厳しくお叱りをいただいた。そして「今後、今回のことをしっかり全面的に反省して、(コメの流通安定化に向けた)新しいパッケージに基づいて、何としてもコメの値段が下がるように引き続きしっかり努力しろ」と言われた。
記者 (発言について)首相にどう説明したか。
江藤氏 (講演での)話の全体の流れを全部説明した。
私はコメを地元の方からいただく。しかし、妻から電話があり、「全部いただいた分で賄えているわけではない」ということだった。
私自身は先週も近くのスーパーで、いわゆる備蓄米を使った複数米、ブレンド米も買ったばかりだ。東京で1人暮らしなので、定期的にコメを購入している。
(対策パッケージによって)2万トンは小売りにまっすぐ、卸を通さずに渡すことになった。しかしこれは、1カ月以内に店頭に出すということであれば、精米にも限界があるのでなかなか難しい。そして4万トンの部分もこれまたある。
この(合わせて)6万トンの部分について、1カ月以内に店頭に出すためには、精米だけではなくて玄米で流通させることが必要だと私は考えている。
私は玄米をいただいて、そして地元にある精米機で精米して食べている。だから、皆様方も精米に限らず、いわゆる備蓄米については玄米で売られるようなことにもなるので、ぜひ玄米で買って、精米して食べていただきたいということを伝えたいという気持ちが強く、ちょっと、かなり誇張した表現をしてしまったということは大いに反省している。
記者 自身の進退を問う声もある。
江藤氏 私も首相のご意向で「辞職すべきだ」と言われれば、そうするつもりで今日は官邸に来た。
しかし、首相と官房長官からは「引き続きしっかりやれ」と、「大いに反省をした上で、全面的に発言を撤回して、職務に励め」と言われたので、今後ちゃんと結果を出すことで信頼回復に努めていきたい。首相にまでおわびをさせてしまったことについては重ねて責任を重く感じている。
記者 自身の発言について、「修正」と説明されたと思うが、首相との面会を踏まえて改めて発言をどう扱うか。
江藤氏 今言ったように、首相からは「全面的に撤回しておわびを申し上げるべきだ」と言われた。私もその通りだと思うので、全面的に撤回して、皆様方にはおわびしたいと思っている。
記者 コメの価格(コメ5キロの平均価格)は2週ぶりの値上がりで過去最高値を更新している。こういった状況をどう捉えているか。
江藤氏 正直な気持ちを言えば、非常に苦しい。
(備蓄米を)もう31万トン出した。前回の調査の時はブレンド米の比率が19%から33%に上がっていた。今回まだ詳細な検討はできていないが、ブレンド米の比率は31%に逆に下がってしまった。量を出したのに、なぜブレンド米の比率が下がるのか。これは詳細な検討が必要だと思う。
やはり国が量を出しさえすれば価格が下がるというのは、なかなかそう単純なものではない。もう何度も説明しているが、小売りの方々は2、3日分の精米された袋詰めのコメを定期的に届けていただきたい。卸(卸売り)の方々も、集荷からいっぺんにたくさん受け取っても精米できないということだ。だから、そういった流通全体の見直しもまた必要だ。
もう2、3日前から、次の発表はどうなるんだろうと気をもんでいたが、(平均価格が)54円上がったということは、こういう結果になったことについては、責任を感じている。