タス通信などによると、ロシアのプーチン大統領は19日、米国のトランプ大統領との電話会談後、記者団に対し、ウクライナ情勢をめぐる将来の平和条約締結に関する覚書について「ウクライナ側と協力する用意がある」と語った。合意が成立すれば、一定期間の停戦に応じる用意があるとも述べた。
停戦には、露側が求める条件を満たす必要があるとの立場を示し、米欧やウクライナが求める即時停戦は受け入れない考えを改めて示したものだ。プーチン氏の発言からは、従来の主張であるウクライナの非武装化や北大西洋条約機構(NATO)への非加盟など、「紛争の根本原因の除去」が停戦に先立って必要だとの姿勢は変わっていないとみられる。
プーチン氏は、トランプ氏との電話会談が2時間以上に及んだと明らかにし、「率直で有意義だった」と振り返った。プーチン氏によれば、トランプ氏は電話会談で停戦に関する自身の立場を表明したという。条件は不明だが、即時停戦に応じるようプーチン氏を説得した可能性がある。
さらにプーチン氏は、16日にトルコ・イスタンブールで3年ぶりに行われたロシアとウクライナの直接協議について、両国が「おおむね正しい道を進んでいる」と評価。「ロシアとウクライナは妥協点をみつけなければならない」とも語った。