注射の施術を受けた後、全身が青あざだらけになったと主張したユーチューバーを相手取り「虚偽事実を流布した」として13億ウォン(約1億3000万円)の訴訟を提起した韓国の病院が、一審に続いて二審でも敗訴した。
韓国法曹界が16日、明らかにした。それによると、ソウル中央地裁は、ユーチューバーのアオリさんを相手取ってソウル・江南にある皮膚科クリニックが提起した13億ウォン規模の損害賠償請求訴訟で、一審と同様に原告の請求を棄却した。病院側が上告しなかったため、判決は確定した。
この事件は2021年9月、アオリさんが自身のインスタグラムやユーチューブなどで「病院で受けた健康注射のせいで、全身に青あざができた」と主張し、腕や脚、腹部など全身に青あざができている様子を公開したのが発端だった。アオリさんは最初は病院の名称を公開していなかったが、当時の夫だったソ・ジュウォン氏が「病院が逆に開き直ったような態度を取ってきた」などと病院を批判する内容を書き込んだことで波紋が拡大した。
病院側は当初、特にコメントなどは出していなかったが、2カ月後の21年11月、アオリさんの主張に一つ一つ反論した。▲問題の注射はもともと「健康注射」ではなく美容目的の施術だった▲青あざについて事前に患者に説明した上で同意書を受け取った-などの内容だった。病院側は当時、このように反論した上で「アオリさんが今後も自身のうそや虚言を正当化し続けるのなら、それ相応の法的責任を問うつもりだ」との立場を示した。
ただし今回、裁判所は病院側の主張を認めなかった。裁判の過程で病院側は「アオリさんは11種類の虚偽事実を流布した」と主張したが、裁判所はこれらの表現を虚偽事実と見なすのは困難だと判断した。裁判所は特に、施術の同意書で青あざに関する事前告知が不十分だった点、病院が問題の注射を「健康注射」とPRしていた点、病院長ではなく病院長の娘が施術に関わった点、返金への対応が消極的だった点などが全て、事実と合致すると判断した。
今回の裁判の結果がメディアなどで報じられると、アオリさんは自身のインスタグラムに関連記事のスクリーンショットを投稿し、自身が勝訴したことに間接的に言及した。
パク・ソンミン記者