【ワシントン共同】米連邦最高裁は19日、南米ベネズエラから米国に避難してきた不法移民約35万人の滞在を許可する保護措置について、トランプ政権が取り消すことを当面容認する判断を示した。不法移民に強硬姿勢を取る政権が追い風と見なし、国外追放の手続きを加速させる可能性がある。
保護措置は母国で内戦や災害などが起きた移民らに米国滞在や就労を許す一時保護資格(TPS)と呼ばれる制度。西部サンフランシスコの連邦地裁が3月31日、政権による取り消しを「違憲」として差し止めを命じ、政権側が上訴していた。
今回対象となったベネズエラからの約35万人分のTPSはバイデン前政権が延長した。不法移民の「史上最大の強制送還」を公約するトランプ政権のノーム国土安全保障長官が取り消しを許可していた。
ベネズエラからの移民を巡っては、トランプ政権が敵性外国人法を適用した国外追放についての別の訴訟で、最高裁が一時的な差し止めを延長し、連邦高裁に審理を差し戻した。