いま最もお茶の間を夢中にさせている俳優・河合優実。現在放送中の朝ドラことNHK連続テレビ小説『あんぱん』でヒロイン・のぶ(今田美桜)の妹・蘭子を巧みな表現力で演じ、視聴者から絶賛の声が寄せられている。
【画像】“婚約者”の死に呆然…視聴者を“もらい泣き”させた河合優実の名シーン
特に婚約者・豪(細田佳央太)の戦死の報せが届いた第8週(5月19日〜23日)は河合の独壇場だったと言っても過言ではないだろう。
平成生まれなのに“昭和の女”がよく似合う
河合は2019年のデビュー当初から、ミニシアター系の映画で頭角を現し、知る人ぞ知る存在だった。その名を全国区に知らしめたのが、昨年1月期に放送された『不適切にもほどがある!』(TBS系)だ。
“ふてほど”の略称で流行語大賞にも選ばれた同作は、クドカンこと宮藤官九郎が脚本を手がけたオリジナル作品で、『あんぱん』にも出演中の阿部サダヲ扮するコンプライアンス意識の低い昭和のおじさん・市郎がタイムスリップしてしまうコメディ。河合は非行に走りがちだが、心根は優しい市郎の一人娘・純子を好演した。
平成(しかも2000年)生まれとは思えないほど中森明菜ヘアにロング丈のセーラー服というスケバン女子高生スタイルを着こなし、「あの子は誰?」と話題騒然に。山口百恵や中森明菜を彷彿させるという声もよく耳にするように、どことなく昭和のムード漂う顔立ちや佇まいが他の人にはない魅力だ。
そのため、『あんぱん』放送前から多大な期待を寄せられていた河合優実だが、それを大きく上回る名演で日々話題をかっさらっている。河合が演じる蘭子は朝田三姉妹の次女で、女学校卒業後は郵便局に勤め、家計を支えるしっかり者。祖父・釜次(吉田鋼太郎)が営む石材店で働く若き石工・豪に人知れず想いを寄せている役どころだ。
その秘めたる恋心に視聴者が気づいたのは、第12回におけるパン食い競走のシーン。当日、出場者の受付を手伝っていた蘭子のもとに豪がやってくる。少し言葉を交わした後、受付表に自分の名前を記入する豪。わずか数秒だったが、豪を愛おしそうに見つめる瞳と、恥ずかしそうに前髪を整える仕草だけで河合は蘭子の恋心を伝えてみせた。