【全文公開】「研修期間は缶詰」…元TBSアナ宇内梨沙が選んだ新たな道「″ゲーム配信者″になって」


「背中を押してくれたのは夫でした」

【画像】初々しい…!女子アナ新人時代の元TBS・宇内梨沙

今年3月にTBSを退社した元アナウンサーの宇内梨沙(33)は、そう話しながら苦笑した。慶應義塾大学卒業後、’15年にTBSへ入社し、『ひるおび』『アッコにおまかせ!』など同社の看板番組を担当した宇内は、新人時代をこう振り返る。

「入社直後の研修期間は毎日8時間、アナウンス部に缶詰でした。研修部屋には外の景色が見える窓がなくて、4ヵ月間はほとんど外の天気もわからない中で、徹底的にアナウンサーとしての基礎を叩きこまれました」

2年目で『NEWS23』のスポーツキャスターに抜擢され、スポーツ分野からキャリアをスタート。’18年の平昌冬季五輪や、サッカーW杯(ロシア)などを取材し、世界を駆け回った。

「オリンピックの代表選考は土日に行われることも多いので、月曜日から金曜日まで『NEWS23』に出演し、土日は試合を取材する日々でした。過酷な日々でしたが、平昌五輪では男子フィギュアスケートの羽生結弦選手(30)や宇野昌磨選手(27)の演技に心を揺さぶられましたし、ロシアW杯では、圧倒的なアウェイで殺伐とした雰囲気の中、国民の期待を背負って奮闘する日本代表選手に神聖なオーラさえ感じました」

活躍の場はテレビだけに留まらない。TBSラジオの『アフター6ジャンクション』(以下、アトロク)の木曜パートナーも担当した。

「ラジオをやりたくてTBSに入社したので、当時のプロデューサーが声をかけてくれたときはついにラジオに関われる日が来たと嬉しく思いました。
毎週、メインパーソナリティを務める『RHYMESTER』の宇多丸さん(55)とお話しできることが幸せでしたね。映画、本、マンガ、ゲーム……さまざまな分野に詳しい宇多丸さんの知識量に驚かされる日々。それに、何歳になっても新しいものや価値観を受け入れ、自ら取り入れ続ける宇多丸さんのことを心から尊敬しています」

看板アナとして充実した日々を送っていた宇内だが、3年ほど前から退職を考えるようになったという。

「生活の99%を仕事に捧げていました。やりがいはありましたが、このまま仕事ばかりの生活でいいのだろうかと悩んでいたんです。背中を押してくれたのは夫でした。私が無理をしていることをわかっていて、『もう辞めなよ』と言ってくれたんです」

◆「今は、″配信者″の宇内梨沙です」

退職後は多忙を極めた生活を見直し、好きなポップカルチャーの仕事をメインにしている。

「いま、仕事は週2日くらい。Webメディアへの出演やイベントMC、コラムの執筆などで楽しい日々を過ごしています。でも私、″フリーアナウンサー″を名乗りたくないんです。アナウンサーの仕事には、有事の対応、とくに災害報道を担うという大きな役割があり、局に勤めるアナウンサーはその責任と日々向き合っています。そして、それこそがアナウンサーにしかできない仕事であり、『矜持である』と私は感じているので、重責を負わない立場で自らをアナウンサーと表現するつもりはありません。
だから今は、″配信者″の宇内梨沙です(笑)。学生時代から大好きだったゲーム実況の世界に本腰を入れて取り組んでいきます」

退社後に始めた配信サービス『Twitch』では、仕事や家事の合間を縫って毎日のように配信している。

「趣味を仕事にできて楽しいのですが、私はゲームが特別上手いわけでもなく、狩野英孝さん(43)のように個性が強いわけでもない。私に個性がないのがいまの課題です。でも以前、TBSの先輩である山本匠晃(たかあき)(40)アナウンサーに、『ゲームしながら話せるなんてすごいね。俺にはできない』と褒(ほ)めてもらったことがあって。ゲームをしながらチャット欄を見て、みんなのコメントに反応する。私はそれが当たり前のことだと思っていたのですが、子供の頃からゲームに触れていたからこそ、自然と配信者としての適性が育まれていたのかもしれません」

配信者として、そして一般視聴者として自身が携わった番組を観ると、懐(なつ)かしさとともに野望がこみ上げる。

「故郷を観ているような温かい気持ちになります。名残惜しいとか、もっとテレビに出たい、とはもう感じていないので、本当にやりきったんだな、と。
でも、いつか配信者としてアトロクに呼ばれる日が来たら嬉しいな。そのためにも次のキャリアで結果を出さないと。配信数をコツコツ積み上げて、まずはアベレージで同時接続者数1000を目指したい。『配信王に、おれはなる!』ですね(笑)」

看板アナから新人配信者へ。前代未聞のセカンドキャリアは、まだ始まったばかりだ。

『FRIDAY』2025年5月30日号より

FRIDAYデジタル



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