プーチンがいなくなっても侵略行為は終わらない!背景にあるロシア特有の被害者意識や支配欲…日本人が知っておきたい重要なポイントを歴史から解説


 プーチン大統領は、NATO拡大がウクライナ戦争の「根本原因」の一つだと主張するが、エストニア国民は異論を唱えている。ツァクナ・エストニア外相は「NATOがロシアにとって何らかの脅威だという話は、全くのデタラメだ」と言う。それは「彼も分かっているはずだ」。

 ツァクナ外相の主張はこうだ。「ロシアが NATO を恐れているなら、なぜここの国境からウクライナへ部隊を移動させるのか?」ツァクナ外相は、16年から17年に国防相を務めていた当時、ロシアは約12万人の部隊を国境に展開させていたが、現在は「人影はほとんどない」と言う。

 ロシアが22年にNATOの東翼からウクライナへ移動させた部隊の中には、エストニアから約 32キロ離れたプスコフに司令部を置く精鋭の第76親衛航空強襲師団も含まれていた。プーチン大統領は、北極圏に位置するヨーロッパとの国境を守っていたロシア唯一の機動旅団に加え、ノルウェーとフィンランドに近いムルマンスクにも展開していた部隊を移動させている。

 もしプーチンが本当にNATOの拡大を恐れていたならば、これは特に大きな誤算ということになる。ウクライナ侵攻をきっかけにフィンランドとスウェーデンがNATOに加盟したからだ。

 一方、キーウはNATO加盟を熱望しているが、現実的な見通しは立っていない。もしロシアが本当にNATOの脅威を認識しているのであれば、エストニアとの国境沿いに「固定された障害物」や「パトロール活動」が見られるはずだと、元欧州駐留米軍司令官のホッジス将軍は述べている。

 ホッジス将軍は、もしNATOに侵略的な意図があるのであれば、「(NATOは)破壊工作、インフラの破壊、あらゆる種類の違法行為、領空侵犯」を行っているだろう、と述べた。「このような行為は国境のロシア側では何も起こっていない」。

 これに対しロシアは、バルト海の死活的に重要なパイプラインや通信ケーブルを破壊した疑いがある。昨春、ロシアはエストニアとの国境線を区切るナルヴァ川のブイを撤去し、偵察気球を使って川の向こう側を偵察した。



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