4月13日に開幕した大阪・関西万博の来場者数(関係者を含む)が、5月26日に500万人を突破。博覧会協会の石毛博行事務総長は同日、「まだまだ通過点」と話しつつも、「(来場者数は)急激に増えてきている。これから加速すると期待している」とコメントした。
【写真あり】「ネット大丈夫か?」3万人が待機するチケット購入ページ
’18年の大阪での開催決定以降、当初見込んでいた1250億円の会場建設費が、資材価格の高騰などが影響し、2350億円まで膨れ上がるなど、さまざまな観点から反発を招いた万博。しかし、ふたを開けてみれば多くの来場者が押し寄せているようだ。家族で訪れたという40代女性は言う。
「夫と子どもの3人で万博に行ってきました。平日なので空いていると思ったら、大勢のお客さんがいて……。人気のパビリオンは事前予約してから入場するのがスムーズなのですが、スケジュールが直前まで決まらず、予約なしで並ぶことにしました。それでも、朝11時に万博会場に入場して、夕方に帰るまでに4つのパビリオンを楽しめましたよ。
個人的に印象に残ったのがトルクメニスタン館。なかなか行ける国ではないので、実際に現地で出回っている日用品を見たり、日本との結びつきが強いことが知れて興味深かったです」
このような万博に対する好意的なレビューはSNSでも広く拡散されているが、いっぽう、万博のシンボルでもある「大屋根リング」周辺では、蚊に似た「ユスリカ」が大量発生しているというネガティブな報告も相次ぐ。大阪府の吉村博文知事(49)も21日の会見で「(実際にユスリカを見て)看過できないと感じた」と話し、衛生薬品大手「アース製薬」に対策を依頼したと明かした。
そんななか、多くの来場者を困らせているのが、公式サイトのアクセス問題だ。チケット購入ならびにチケットの表示、パビリオンの予約など、万博を楽しむためには、「万博ID」を登録した上で公式サイトでの事前準備が欠かせないのだが、あまりの人気によってアクセスが集中し、サイトに接続できない人が相次いでいるのだ。X上でもこんな声が。
《さっきから万博のチケット買おうとしてるのに、買わせてくれない。ネット大丈夫か?》
《チケットを買いたいだけなのに、ログイン出来ないって、行く気が薄れるわ》
《万博、日に日にサイトにアクセスしづらくなっているので、夏休みとか入ったらもうダメなんじゃないかな…と思ってる。 それまでにサーバー増強してほしい。 夜の抽選枠にみんなアクセスしてるけど、日程変更とか別のことをしたい人も阻害しちゃっててすごい不便なんだよ》
《万博のサーバー弱すぎ問題、さっさと対策してほしい。 入場予約するだけで何十分待たないといけないの馬鹿らしすぎる》
実際、本紙記者が5月の平日深夜にチケットの購入ページに入ろうとすると、スマホの画面には万博公式キャラクター「ミャクミャク」のイラストと共に、「現在サイトが大変混雑しております。順番が来るまでお待ちいただくか、時間をおいて再度アクセスしてください」という案内が表示された。さらに、画面下には記者の前に約3万人が“並んでいる”という経過も表示され、結局チケットを購入するまでに1時間以上を要した。
同様のケースについては、キャスターの辛坊治郎氏(69)が5月1日にXで、《サーバーの容量少な過ぎないか?これじゃ、チケット買いたい人の心も折れるわ》と指摘している。大阪市の横山英幸市長(44)も26日、電子チケット購入・予約サイトの混雑などについて、「改善していかないといけない」と話した。
そこで、本誌が5月27日に協会の広報に対して見解を問い合わせたころ、担当者からは以下のような回答があった。
「(今後サーバーの増強などを)検討することになるかと。ただ、これは一般論ですが、こうした事態は人気のテーマパークやコンサートでも同じように起こっていて、現状どこまで増強、投資するかが正しいというのはわからないというところです」
また、担当者は電子チケット購入のタイミングについては「昼」が比較的“狙い目”だと明かしたうえで、その理由を以下のように解説する。
「(パビリオンの)当日予約や、来場の3日前から申請できる予約が、日付の変更と共に解禁になります。そのため、日付が変わると“よーいドン”で皆様がサイトに集中するんです。数時間前から待機している多くの方がいらっしゃいますので、待機の時間が生じてしまいます」
いずれにせよ、万博を成功に導くためにも、ハード面の改善は急務だろう。