防衛省は27日、中国海軍の空母「遼寧」が25日から26日にかけて沖縄県の尖閣諸島周辺の東シナ海を航行し、艦載機の発着艦が約120回確認されたと発表した。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して警戒にあたり、領空侵犯はなかったという。
東シナ海で活動する中国空母について、防衛省が艦載機の発着艦を公表するのは初めて。自衛隊関係者は「発着艦はこれまでも中国大陸周辺の東シナ海で行われていたが、今回はより日本の近海で確認された。技量を誇示する狙いがあるのではないか」と警戒する。
防衛省によると、遼寧は他の中国海軍艦艇とともに25日午前7時ごろ、尖閣諸島・久場島の北約200キロの海域を、26日午後8時ごろには沖縄本島西側の久米島から約190キロ北西の海域を航行。この間、艦載機が発着艦を繰り返し、戦闘機は約90回、ヘリコプターは約30回が確認された。
さらに27日、遼寧は沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋へと移動。宮古島の南東約190キロの海域でも発着艦が確認されたという。【松浦吉剛】