アメリカのドナルド・トランプ政権は27日、同国に留学するための学生ビザ(査証)の取得に必要な面接の予約受け付けを停止するよう、各国の米大使館に命じた。同政権は学生ビザ申請者について、ソーシャルメディアの調査を強化する準備を進めている。
BBCが提携する米CBSニュースが入手した文書によると、マルコ・ルビオ国務長官は各国の米大使館に対し、面接予約の停止は「追って案内があるまで」続くとした。ただし、すでに受け付けた面接予約はそのまま進めてよいとした。
ルビオ氏はさらに、学生ビザや交流訪問者ビザの申請者について、ソーシャルメディアの調査を強化するとした。そして、これは大使館や領事館に「重大な影響」を及ぼすとした。
アメリカに留学を希望する外国人は通常、自国の米大使館で面接を受ける必要がある。
留学生はアメリカ人学生よりも高い授業料を払うことが多く、アメリカの多くの大学にとって大きな収入源となっている。
国務省のタミー・ブルース報道官は27日、記者会見で学生ビザについて質問されると、「私たちは入国してくる学生がどんな人なのかの審査を非常に重視しており、今後もそうしていく」と答えた。
■トランプ氏とエリート大学の確執
トランプ大統領は、アメリカのエリート大学の一部は左翼的な傾向が強過ぎると考えており、それらと反目している。また、大学によっては、キャンパス内での反ユダヤ主義を助長したり、差別的な入学審査を支持したりしていると、トランプ氏は考えている。
トランプ政権は、何億ドルもの大学への助成金を凍結したほか、学生を強制送還したり、何千人ものビザを取り消したりしている。こうした措置の多くは、裁判所が差し止めを命じている。
ホワイトハウスは一部の大学について、学内で親パレスチナの活動が反ユダヤ主義に乗っ取られるのを許していると非難している。
一方、大学側は、トランプ政権が言論の自由を侵害しようとしていると批判している。
トランプ氏のいきどおりは、ハーヴァード大学に特に向けられている。トランプ政権は先週、同大学について、留学生や外国人研究者を受け入れる資格を停止した。その後、連邦裁判所がこれを差し止めた。
もしこの措置が認められれば、学生の4分の1以上が外国人のハーヴァード大学には壊滅的な打撃となりうる。
(英語記事 US halts student visa appointments and plans expanded social media vetting)
(c) BBC News