ロシアによるウクライナ侵略で、ロイター通信は28日、複数の消息筋の話として、プーチン露大統領が停戦の条件に、北大西洋条約機構(NATO)を旧ソ連構成国のウクライナやジョージア(グルジア)、モルドバなどの東方に拡大させないと欧米諸国が文書で確約すること▽ウクライナの中立化▽対露経済制裁の解除▽ウクライナ国内のロシア語話者の保護-などを求めていると伝えた。
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消息筋は、停戦条件が受け入れられない場合、ロシアは軍事的勝利で目標を達成するとし、そうした和平は「ウクライナと欧州にとってより苦痛を伴うものになる」と警告したという。
ロシアは16日のウクライナとの直接交渉で、一方的に併合を宣言したウクライナ南部クリミア半島や同国東・南部4州の帰属変更などを求めたとされる。ロシアは今後、自身の求める停戦条件を定めた文書を作成し、ウクライナや欧米に提示する方針を示している。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、領土の帰属変更には応じないとする立場を明言。ウクライナが米国に提示した停戦案も領土的譲歩を否定する内容だと伝えられている。(小野田雄一)