作家の若一光司氏（74）が28日、読売テレビの情報番組「かんさい情報ネットten.」（月～金曜午後3時50分）に出演。斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書を作った元県幹部の私的情報を井ノ本知明元総務部長が県議らに見せたとされる問題で、県の第三者委員会が27日、調査報告書を公表したことについて言及した。
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報告書は、井ノ本氏が県議3人に漏えいしたと認定し、「知事や元副知事の指示で、県議会一部会派への根回しの趣旨で漏えいを行った可能性が高い」と結論づけた。県は報告書を受け、井ノ本氏を停職3カ月の懲戒処分にしたが、井ノ本氏は第三者委に対し、知事、副知事の指示だったと証言。処分を不服として審査請求や執行停止の申し立てを行う方針だ。
一方、斎藤氏はこの日の定例会見でも、「責任を感じる」とし、給与カットなどの処分に言及したものの、「指示はしていない」と辞職を否定。意見が食い違っている。
若一氏は井ノ本氏に対し、「処分として3カ月の停職というのが出た。井ノ本さんは『業務で行為でやった。上からの指示でやったんだから処分されるいわれはない』と言っている。それが事実なら、井ノ本さんは徹底してここを争ってほしい。処分に対する不服申し立てははっきりすべき」と自身の主張を曲げないよう求めた。
返す刀で斎藤氏に対し、「県の税金で作った第三者委員会が『公益通報者保護制度に違反している』『違法だ』と言っても、『私はそう思ってない』と違法状態を続けている。しぶしぶ、一部のパワハラを認めても、自分で自分を処分しない。今の状態でいけば同じこと」と指摘。「自分が認めないことは押し通す。客観的に自己批判するというまなざしがこの知事にはほとんど成立しない。消費者庁が直接、『問題だ』というくらいのレベルになっているわけですから、これは非情に異常な事態」と斎藤氏の対応を厳しく批判した。
さらに、若一氏は「斎藤知事は取り巻き的な一部の関係者の中で物事を決める。職員との関係性が成立しにくいみたいなことを第三者委員会の報告書でも指摘されている。井ノ本さんは取り巻き、知事が使っていた側近の1人。その側近から『知事の指示があった』という言葉が出てる。そのこと自体、問題だと思う。いくら知事が否定しても、側近がそう思う状況を作ってしまったことでも責任問題になる。ところが、『私は言ってない』と認めない、このかたくなさ」とばっさり。
続けて、「公益通報者保護法に関して、『違反している』と言われても、自分を処罰しない。違反したことを取り消そうともしない。謝罪もしない。パワハラに関しても自己処分しない。にもかかわらず、井ノ本さんの情報漏えいに関しては、自分で自分を減給にしますと突然言い出している。この違いは一体何なのか」と疑問を投げかけた。
番組では、兵庫県には情報漏えいした職員に対し、懲戒免職、停職6カ月、同3カ月、同1カ月の処分があると説明した上で、今回の事案は「停職6カ月が相当」との県幹部の声を紹介。しかし、井ノ本氏は「知事や元副知事の指示で、県議会一部会派への根回しの趣旨で漏えいを行った可能性が高い」との理由で3カ月の停職となっており、処分の最終決裁は斎藤氏が行った。
MCの中谷しのぶアナは「自分は（指示を）否定をしていながら、それを容認するような処分内容になっているということですね」と斎藤氏の行動の矛盾点を指摘していた。
