杉並区刃物刺傷事件:逮捕の男、送検時にメディアへ暴言と威嚇行為

東京都杉並区で知人を刃物で刺し、殺人未遂容疑で逮捕された職業不詳の落合弘範容疑者(56)が8月8日、警視庁荻窪警察署から送検されました。その際、落合容疑者は待ち構える報道陣に対し、威嚇的な態度で暴言を吐き、周囲を驚かせました。

杉並区で殺人未遂容疑で逮捕され、送検される落合弘範容疑者杉並区で殺人未遂容疑で逮捕され、送検される落合弘範容疑者

殺人未遂容疑での逮捕と事件の経緯

落合容疑者は7月26日、杉並区にある知人宅アパートで、複数の人物と酒を飲んでいました。その最中、落合容疑者と別の人物が酒に酔った勢いで口論となり、止めに入った50代男性の背中を、部屋にあった包丁で刺して怪我を負わせた殺人未遂の疑いが持たれています。

事件発生後、通報を受けて捜査員が現場に駆けつけた際には、落合容疑者の姿は既にありませんでした。捜査員が彼の自宅を訪ねた際、落合容疑者は捜査員の頬を叩くなど抵抗したため、公務執行妨害の現行犯で逮捕されました。その後、自宅から血の付いた包丁などが押収され、容疑が殺人未遂に切り替えられています。

送検時の「異様な態度」と専門家の見解

8月8日の送検時、留置場から署員に付き添われて出てきた落合容疑者は、フラッシュを浴びた瞬間、一瞬驚き顔を伏せましたが、すぐに態度を一変させました。「何撮ってんだ!」「撮ってんじゃねえよ!このヤロー」などと取材カメラを睨みつけ、メディアに向かってくるような素振りを見せるなど、恫喝的な言動を繰り返しながら護送車に乗り込みました。送検時にこれほどまでにメディアに対し悪態をつく容疑者は極めて異例です。

元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は、落合容疑者の行動について解説しています。「酒に酔った勢いでの犯行であり、計画性はないとみられます。しかし、すぐに現場を立ち去り、事情を聞きにきた警察官に暴力を振るう行為は、彼が非常に粗暴な人物であることを示しています。」

小川氏によると、通常、罪を軽くしたいと考える容疑者は、素直に警察官に従ったり、犯行を認めたりする場合が多いといいます。しかし、今回のように警察官に暴力を振るい、公務執行妨害容疑で逮捕されている場合、裁判で情状酌量される可能性は極めて低いと指摘しています。さらに、被害者との示談が成立しなければ、初犯であっても実刑判決を受ける可能性があるとの見解を示しています。警察は落合容疑者の認否を明らかにしていません。

参考文献