【ワシントン共同】米政府の支出削減を目指す「政府効率化省」を事実上率いる実業家のイーロン・マスク氏は28日までに、減税延長などトランプ大統領の看板施策を盛り込んだ法案について、財政赤字の拡大につながると批判し「率直に言って失望した」と語った。盟友関係にある両者の間で、財政を巡る路線の溝が浮き彫りとなった。
法案は「一つの大きく美しい法案」。第1次トランプ政権が導入した所得税減税の延長のほか、国境管理強化のための支出を盛り込んだ。米CBSテレビが27日、一部を公開したインタビューで、マスク氏はこの法案を「巨額の支出法案」と指摘。「財政赤字を減らすどころか拡大させ、効率化省の仕事を台無しにしている」と強調した。
一方、トランプ氏は28日、ホワイトハウスで記者団に、マスク氏が法案を批判したことを踏まえ「満足していない点もあるが、その他の点ではとても喜んでいる」と述べた。法案は22日に下院を通過し、トランプ氏は「上院と交渉中だ。道のりは長い」と説明した。
下院は、当初案を一部修正した上で可決した。