朝ドラ「あんぱん」(NHK総合)が3月31日にスタートしてから序盤の2カ月間が終了しました。
【写真】視聴者から「だから“のぶ”嫌い」の声が殺到したシーン
ここまでの物語では、高知県で生まれた主人公・朝田のぶ(今田美桜)が、東京から移り住んできた柳井嵩(北村匠海)と出会い、ともに父を失うという痛みを労わり合いながら成長。
のぶは女子師範学校での厳しい寮生活を経て地元小学校の教師となり、嵩は浪人時代を経て東京の芸術学校を卒業するまでが描かれました。
さらに、朝田家の長女・のぶ、次女・蘭子(河合優実)、三女・メイコ(原菜乃華)の姉妹愛。蘭子と朝田石材店の若き石工・原豪(細田佳央太)の恋。不器用な嵩を温かく見守る伯父・柳井寛(竹野内豊)、伯母・千代子(戸田菜穂)、弟・千尋(中沢元紀)の優しさ、「ヤムおんちゃん」ことパン職人・屋村草吉(阿部サダヲ)の活躍などが描かれ、視聴者の支持を集めています。
■「のぶが嫌い」「邪魔」という声が…
しかし、序盤から中盤に差しかかり、いよいよ作品の本題に入ろうとする今、気がかりなのは、ネット上にネガティブな声があがっていること。しかも「のぶが嫌い」「のぶが苦手すぎる」「ずっと主人公に共感できない」「のぶが邪魔」などと主人公を強烈に否定するような声が増えているのです。
驚くべきは主人公を否定する前に、「他の登場人物は好きだから見ているけど」「『あんぱん』は面白いけど」などと枕詞をつけたうえで、のぶへの不満の声をあげ、「見るのがしんどくなってる」「離脱しようかな」などと書き込む人々がいること。
つまり、「本当は見たいけど、主人公が嫌いで見るのをためらってしまう」のでしょう。
もともと半年間ほぼ毎日放送される朝ドラの主人公は、幅広い世代がそのキャラクターに親しみ、成長を見守り、成功を願うような存在。
また、作品そのものが批判される際にヒロインも嫌われるケースはしばしばあるものの、今回のような「作品は好かれているのに、主人公が嫌われる」という逆転現象はなかなかありません。
なぜ「あんぱん」と主人公・のぶにはこのような逆転現象が起きているのでしょうか。