年齢とともに身体は衰えてくるものの、40代で老化を意識するのはまだ早いと思われるかもしれない。しかし、目の不具合は40代から出てくるため、歯医者で虫歯をチェックするように眼科へも定期的に通うべきだと専門家が推奨している。あなたの目が健康かどうか、まずはセルフチェックしてみよう。※本稿は、真鍋佑介『一生目が見える人のすごい習慣』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。
● 「見える」という感覚を 得ている眼球の仕組み
人間の眼球は、大人だと約24mm前後の球体となっており、体内に光が入ってくる唯一の器官です。「見える」という現象は、単に光が目に入るだけではなく、角膜、虹彩(こうさい)、水晶体、硝子体、網膜、視神経、そして脳の視覚野といった、様々な器官が複雑に連携することで、初めて成り立っています。
カメラのレンズの役割をするのが「角膜」と「水晶体」という部位です。「虹彩」が瞳孔の大きさを変えて光の強さを調整し、水晶体が光を屈折させてピントを調節しています。
光は「硝子体」という透明なゼリー状の組織を介して、眼球の奥にある「網膜」に到達し、視細胞で電気信号に変換され、「視神経」へと伝達されます。視神経は、網膜からの情報を脳へと伝える神経線維の束で、眼球の後ろから出て、脳へと向かいます。
視神経を通って脳に送られた電気信号は、大脳皮質の「視覚野」で情報解析され、形、色、動きなどを認識することで、私たちは「見える」という感覚を得ています。
この精巧な仕組みによって、私たちは、周囲の世界を鮮明に捉え、日々の生活を送ることができています。しかし、この「見える」仕組みを正常に機能させるためには、それぞれの器官が健康な状態であることが重要です。例えば、角膜が傷ついたり、水晶体が濁ったり、網膜が剥がれたり、視神経に障害が生じると、視力低下や視野欠損など、様々な視覚障害を引き起こします。
● 簡単にできる 目のセルフチェック
この記事では、目に生じる様々な不具合を理解し、生活の中で改善すべき習慣について解説していきます。目は40代あたりから不具合が出てきます。定期的に歯医者で虫歯をチェックするように、眼科へも定期的に通い、不具合がないかチェックすることを推奨します。見えなくなる前に行動することが大事です。
まずは眼科を受診して精密検査を受けていただきたいのですが、仕事や家庭の都合がつかずなかなか時間が取れない人が多いです。そこでここでは簡単にできる目のセルフチェックを紹介します。簡易的なものなので、もし目のセルフチェックをいくつかやっていただいて異常がある方は早めに眼科を受診するようにしてください。ただし、これで問題がなければよい、ということは決してありません。
ここで紹介するのは、眼鏡などの矯正が適正かを見る「二色テスト」、視界が歪んでいないかを見る「アムスラーチャート」、視野が欠けていないかを見る「砂嵐シート」、乱視をチェックする「乱視検査」、です。
それぞれの解説に従って、セルフチェックをしてみてください。「おや?」と違和感があった人は、早めに眼科で詳しく検査をしてもらいましょう。