TACO(タコ)トレード――。米国で最近、トランプ大統領の関税政策を皮肉るこんな造語が生まれ、ウォール街や交流サイト(SNS)で話題になっている。
TACOは「Trump Always Chickens Out(トランプはいつもビビってやめる)」の頭文字をとった言葉で、英紙フィナンシャル・タイムズのコラムニスト、ロバート・アームストロング氏が「TACO理論」として紹介した。高関税を課すとしながら、株価や米国債の価格が下がるとすぐに取りやめるなど、二転三転する関税政策を皮肉る意味が込められている。
28日に大統領執務室で記者から「TACOトレード」について尋ねられたトランプ氏は「ビビってるだって? そんなの聞いたことないよ」と苦笑。中国に対して一時145%まで上げた「追加関税率」を引き下げたことや、欧州連合(EU)に対する50%の関税発動を7月まで延期したことについて触れ、「それをビビったというのか?」と聞き返した。
さらに「私たちは中国を本当に助けたと思っている。我々は事実上、中国との取引を全くしていなかった。関税が高かったからだ」と対中関税を引き下げた判断を自賛し、「二度とさっきのようなことを言うな。意地悪な質問だ」といらだちをあらわにした。【古川幸奈】