「もうほとんど自分で決めて自分で発表してしまう。ルールというのを覚えていただかなきゃいかん」。随意契約による備蓄米の売り渡しを決めた小泉進次郎農林水産相に、”党への根回しがなかった”と苦言を呈した野村哲郎元農相(81)が大炎上している。“今のコメ高騰を招いた自分たち農水族議員の責任を棚に上げて、何を言うか”とネット民が猛反発したのだ。だがこの日、野村氏の“問題発言”はこんなものでは済まされなかった。国民の神経を逆撫でするような発言を連発していたのである。
【写真を見る】旅行先の韓国で「コメ」を買う日本人が続出 韓国のスーパーで実際に売られている「コシヒカリ」
***
江藤拓前農相の失言を「悪くない」と擁護
“老害”と批判された野村氏の発言が飛び出したのは、31日、鹿児島県鹿屋市で開かれた、農林族の重鎮、森山裕幹事長の国政報告会だった。森山氏を前に野村氏は、上記の小泉氏批判に絡めて、「森山先生からチクリとやっていただかないと、今後が心配です。それができるのは森山先生しかいない。我々が言ったって言うことを聞きませんので」とも発言した。
「この日は鹿児島県内3カ所でこのような会合が開かれたのですが、マスコミに取り上げられたのは1カ所目の鹿屋市での発言だけです。実は2カ所目、3カ所目でも野村氏はヤバい発言を連発していました」(政治部デスク)
その一つが2カ所目の曽於市での、江藤拓前農相を擁護した発言である。下記は野村氏の発言内容だ。
「お隣、宮崎県の江藤大臣がちょっと口走ったことが問題になりました。今日はマスコミの人たちもたくさん来ておりますが、私はそんなに悪いことを言ったような気はしないんです」(野村氏の講演より)
自分の「汚染水」発言についても「そんな悪いことを俺は言った覚えはない」
野村氏はこう江藤氏を庇った後、次のように言い放った。
「私もコメを買ったことはありません。女房がいつも買っていますから」(同)
「タクちゃん(江藤氏のこと)もそういう言い方をすれば良かったんですよ」(同)
言うまでもなく、国民が江藤氏の「コメを買ったことがない」発言に反発したのは、国民がコメ価格高騰に苦しんでいるのに現場を知ろうともしない農政トップの無責任な姿勢に怒ったからだ。野村氏はズレた擁護をしただけでなく、自身も農相を経験していたにもかかわらず、自分ではコメを買ったことがない、と悪びれずに言ったのだ。
この発言に会場は笑いで包まれたというが、それに気をよくしたのか、野村氏は“過去の自分”まで擁護し始めた。
23年8月、当時農相だった野村氏は福島第1原発の処理水を「汚染水」と発言し、批判を受けて謝罪に追い込まれた過去がある。そのことを持ち出して、
「処理水って言わないといけないのを、それまでは汚染水と言っていた。女性記者だったんですが『汚染水って大臣、今、言いましたよね!』って言うので、いやいや、処理水を汚染水って(以前は)言ってたんだからと言ったんですが、『大臣が汚染水って言った』とデカデカと新聞に書かれてしまいまして。そんな悪いことを俺は言った覚えはないんだけどなぁと思いながら」(同)