東京大学の美しい銀杏並木が、近年、多くの観光客、特に中国人観光客で賑わっています。黄金色に染まるキャンパスは、写真撮影スポットとして人気を集めているようです。しかし、この美しい景観の裏側で、東大にはもう一つの変化が起きています。それは、中国人留学生の急増です。特に大学院において、その数は驚くべきものとなっています。本記事では、この現象の背景と現状について詳しく解説します。
銀杏並木と観光客、そして留学生
東大の本郷キャンパス、特に安田講堂前の銀杏並木は、多くの観光客を魅了しています。特に中国からの観光客が多く、中国語が飛び交う光景も珍しくありません。この銀杏の美しさは、中国のSNSでも話題となり、多くの観光客が訪れる理由の一つとなっています。
alt 東京大学の銀杏並木で写真を撮る中国人観光客
しかし、東大で増加しているのは観光客だけではありません。近年、東大に入学する中国人留学生も急増しており、大学全体の留学生の約68%を占めています。
大学院における中国人留学生の増加
特に顕著なのが大学院における中国人留学生の増加です。東大の学部生における留学生の割合は約3%ですが、大学院ではなんと約3500人の中国人留学生が在籍しており、全体の約23%にものぼります。つまり、大学院生のおよそ5人に1人が中国人留学生ということになります。
なぜ東大大学院に中国人留学生が集まるのか?
その理由の一つとして、中国国内の大学入試の競争率の高さが挙げられます。北京大学や清華大学といった中国の名門大学への入学は非常に難しく、数千倍もの競争率を勝ち抜かなければなりません。そのため、これらの大学への入学を諦め、比較的入りやすい大学に進学した学生が、大学院進学の際に東大を目指すケースが増えているのです。
alt 東京大学安田講堂前の銀杏並木
東大はアジア圏での知名度が高く、世界的に見ても高い教育水準を誇っています。加えて、近年、東大大学院の入学難易度が学部に比べて比較的低いとされており、中国人留学生にとっては「受験リベンジ」の場として魅力的な選択肢となっているようです。
学歴ロンダリング?
一部では、この現象を「学歴ロンダリング」と呼ぶ声もあります。中国国内での大学受験に失敗した学生が、東大大学院への進学を通じて学歴を向上させようとしているという見方です。もちろん、すべての中国人留学生がこのような意図を持っているわけではありませんが、現状を理解する上で重要な視点と言えるでしょう。
まとめ
東大における中国人留学生の増加は、様々な要因が複雑に絡み合った結果です。中国国内の大学入試の厳しさ、東大の高い国際的評価、そして大学院入学の相対的な容易さが、この現象を加速させていると考えられます。今後の動向に注目していく必要があるでしょう。