28日に行われた衆院農林水産委員会で、就任後初めて与野党議員との質疑に臨んだ小泉進次郎農相に対し、トップバッターで登場した「身内」の自民党の鈴木貴子衆院議員が、進次郎氏の発言に「反省」を求めるひと幕があった。
質問したのは、鈴木宗男参院議員の長女でもある自民党の鈴木貴子衆院議員。「私の地元(北海道7区=釧路市、根室市など)は、お米を作っていないので、忖度(そんたく)なく質問させていただく」と前置きした上で質問を始めた貴子氏。進次郎氏が備蓄米について、「需要があれば無制限で出せばいい」と発言したことを念頭に「さまざまな反響を呼んだ。期待と合わせて真偽のほどへの意見もあった」と指摘。米農家が20年前と比べて6割減少していることに触れながら「収益性の低さが生産基盤の弱体化となる。(生産者の)収益性の低さは、消費者にすべて、しわ寄せがいく」と述べた上で、コメの適正価格をどう考えているか見解を正した。
進次郎氏は「生産者の思いと消費者の立場が一致するところを見いだすのは極めて重要」とした上で、「ただ、今、コメは高すぎる。消費者のコメ離れを防ぐために、これ(備蓄米2000円)はあくまでも、熱すぎるマーケットにいったん冷静になってもらうため、ひとつの入り口として取り組んでいる」と訴え、理解を求めた。
これを受けて、貴子氏は「『(マーケットに)水を差す』ことの一方で、『古古米』が(通常のコメより安価な)2000円台になるのは、当たり前のことを当たり前にやっていただいている(こと)」だと指摘。「大臣は、就任後すぐに『(備蓄米を)2000円台にする』と言われたのは、足りない枕ことばがあったのではないか」と、説明が足りなかったとの認識を示し「率直に反省というか、発信の仕方を考えていただきたい」と、厳しく指摘した。
貴子氏はまた「石破政権は、コメの価格を下げるというメッセージを出しているが、政治が出すメッセージではない。そこまで言う必要があったのか」とも指摘。「今の石破政権には、目先の対応はあっても、中・長期的な食糧安全保障への信念がない。そうでないなら、そういうメッセージを出していただきたい」と、意見を続けた。