シンガポールで開かれた「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)で、中国の軍事的脅威を強調した31日のヘグセス米国防長官の演説をめぐり、中国側が猛反発している。米中の隔たりが改めて浮き彫りとなる中、東南アジアからは懸念の声も出た。
【写真】アジア安全保障会議で演説するヘグセス米国防長官=2025年5月31日午前8時38分、シンガポール、長島一浩撮影
「ヘグセス氏は対立という冷戦的な思考を売り物にし、『中国脅威論』で大騒ぎしている」「米国こそ地域の平和と安定を損なう最大の要因だ」
中国外務省は1日未明に報道官声明を発表。中国の脅威を理由に同盟国などに戦力強化を呼びかけたヘグセス氏の演説に反論したうえで、「強い不満と断固たる反対」を表明。米側に申し入れたと明らかにした。
中国国防省も1日午後に報道官声明を出し、「中国側の政策や主張を歪曲(わいきょく)している」と反発した。
朝日新聞社