ウクライナ版真珠湾空襲、シベリアを攻撃


ウクライナが1日(現地時間)、ロシア本土の空軍基地を対象に大規模な無人機(ドローン)空襲に成功すると、ロシアの軍事ブロガーはこのように表現した。それだけ今回の作戦がロシア軍の意表を突いたうえ、戦略爆撃機40機ほどを打撃するなど莫大な損失を負わせたからだ。さらに2日に予定されたウクライナとロシアの2回目の休戦交渉の前日に攻撃を敢行する大胆さまで見せた。

【写真】ウクライナのドローン攻撃を受けて燃えるロシア戦闘機

ロイター通信などによると、ウクライナ軍のこの日の攻撃対象は最前線から4300キロ以上離れたロシア東部シベリア・イルクーツク地域のベラヤ基地など空軍基地4カ所だった。ドローン攻撃はロシア空軍の核心資産である戦略爆撃機に集中した。

ウクライナ現地メディアのキーウインディペンデントは「ウクライナが今回使用したドローンは1機あたり数百ドル(数十万ウォン)にすぎないが、破壊されたロシアの戦略爆撃機は数十億ドルにのぼる」と伝えた。ウクライナ保安局(SBU)の当局者は「ロシアに約70億ドル(約1兆円)分の被害を与えた」と主張した。

ロシアはその間、戦略爆撃機を利用してウクライナに対する長距離巡航ミサイル攻撃をしてきた。ウクライナの立場で最も大きな脅威ということだ。

◆作戦名「クモの巣」…1年半準備、ロシア空軍基地4カ所を同時打撃

問題はウクライナが保有する武器の射程距離では攻撃できない地域に戦略爆撃機が配置されているという点だった。実際、ウクライナ軍はこれほど遠く離れた軍事基地を打撃した事例が一度もなかった。ウクライナ軍は1年6カ月の間、「クモの巣作戦」と呼ばれる秘密作戦を進めてきた。一人称視点(FPV)ドローンをコンテナトラックに載せて陸路でロシア本土4カ所の空軍基地に接近させた後、コンテナの屋根を開いてドローンを飛ばし、基地の戦略爆撃機を打撃するというのが作戦内容だった。

ウクライナのゼレンスキー大統領はX(旧ツイッター)で「最も興味深い点はロシア領土内の(ウクライナの)作戦事務室がロシア連邦保安庁(FSB)本部のすぐそばにあったという事実」と明らかにした。ロシア情報当局はすぐそばでウクライナが大規模な攻撃作戦を計画して準備したことを把握できなかったと嘲弄したのだ。ロシア内でも批判が続いた。軍事ブロガーのミハイル・ズビンチュク氏はテレグラムで「今回の攻撃はロシアに非常に大きな打撃」とし「ロシア情報機関は深刻な失敗を犯した」と指摘した。

「ウクライナ版トロイの木馬」という評価が出ている今回の秘密作戦について、ゼレンスキー大統領は「ウクライナ軍史上最長距離の作戦であり、歴史の本に残るほどの成果」と祝った。続いて「計117機のドローンとこれを運用する管制要員が(今回作戦に)投入された」とし「(ロシア)空軍基地に配備された巡航ミサイル搭載戦略爆撃機の34%に命中した」とした。特に基地にはTu-160、Tu-95など多様な戦略爆撃機と偵察機が配備されていたことが分かった。Tu-160は超音速爆撃機で核ミサイルも搭載できる。

ロシア側はこうした被害内容を否認した。ロシア国防省はこの日の声明で「空軍基地5カ所に対する攻撃があったが、イルクーツクなど2つの地域を除いて残りの攻撃は撃退した」とし「少数の航空機だけが被害を受け、攻撃に加担した数人を検挙した」と反論した。

ロシア軍はこの日、ドローン約470機を動員してウクライナ各地を攻撃するなど直ちに報復攻撃をした。SBUは「ロシアのドローン攻撃は2022年2月の戦争勃発以降、一日の攻撃では規模が最も大きかった」と主張した。ロイター通信によると、1日、ロシアのミサイル攻撃でウクライナの軍人12人が死亡し、約60人が負傷した。

こうした中、ウクライナとロシアの高官級代表団は2日、トルコのイスタンブールで2回目の休戦交渉を行った。先月16日にイスタンブールで両国高官級代表団が会って以来17日ぶりだ。ウクライナのウメロフ国防相とロシアのメジンスキー大統領補佐官がそれぞれ代表団を率いて交渉に出席した。AFP通信は2回目の交渉が1時間余りで終了したと報じた。この日、ウクライナ交渉団はロシア側に捕虜交換名簿を提出したと、ロシアメディアのRIAノーボスチ通信が伝えた。

ロイター通信は「ウクライナが伝達した交渉ロードマップ内容の大部分はロシア側が受け入れがたいものだった」と指摘した。



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