トランプよ、これ以上プーチンに騙されるな!停戦交渉すら乗らないロシア、制裁に踏み込まない米国、ウクライナと世界が待っていること


 ロシアとウクライナはトランプ大統領に対し、相手こそが真の平和の障害であると納得させようと、壮大な外交戦を繰り広げている。

 西側諸国間の交渉に携わる欧州の上級外交官は、「プーチンは、トランプに対してはウクライナ和平に向け努力していると思わせ、同時にこの取り組みが行き詰まるように最大限努力している」「そして、トランプはそれに騙されているのだ」と言う。

 プーチンが実質的な和平交渉への参加に消極的であることは、ますます明らかになっている。トランプ政権内では、プーチンに疑念を抱かないよう配慮していた関係者の間でさえも、その傾向が強まっている。

 トランプの特別代表ウィトコフは、ウクライナと欧州の意見を参考に22項目の和平案を作成したが、5月8日、ロシア高官はウィトコフに対し、プーチンは同案について議論したくないと伝えたとされている。

 その後数日間、外交活動は活発化した。欧州とウクライナの首脳は会談し、30日間の無条件停戦を呼びかけ、プーチン大統領がこれに従わない場合は新たな厳しい制裁を科すと警告した。米国はこの要求を支持した。

 プーチンはこの要求を拒否したが、5月15日にイスタンブールでロシアとウクライナの直接会談を行うという独自の提案を提示した。トランプはこの提案を歓迎し、ゼレンスキーにも参加を促した。

 ゼレンスキーはトランプの要請に応じ、プーチンにもトルコへの来訪を求めた。これは両大統領にとって2度目の直接会談となるはずだった。

 しかし、プーチンはこれを拒否し、代わりにメディンスキー元文化大臣率いる低レベルの代表団を派遣した。会談は進展なく2時間足らずで終了した。双方は1000人ずつの捕虜の交換で合意したが、恒久的な停戦については進展がなかった。

 欧州各国の首脳は不満を表明した。マクロン大統領は「欧米諸国からの圧力が強まらない限り、停戦は実現しない」として、新たな制裁について述べた。またスターマー英首相、マクロン仏大統領、メルツ独首相、トゥスク・ポーランド首相は、プーチン大統領の立場は「受け入れられない」とする共同声明を発表した。

 4首脳はゼレンスキーとともに、トランプと共同電話会談を行った。スターマーは、ウクライナ問題に関して、中核となる4カ国と「米トランプ政権」との間に「高度な連携」が確立されていると述べた。

しかしこれまでのところ、こうした欧州のレトリックに匹敵する発言はトランプ政権には見られない。トランプ政権はロシアを名指しすることなく、紛争の双方に不満を表明し続け、離脱の可能性を示唆している。



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