5月25日に埼玉県で行われた第75回全国植樹祭。その式典に皇后雅子さまのお姿はなかった。開催に先立ち、天皇陛下は異例のメッセージを出されたというが、はたして令和流ご公務の行く末はいかに。
【写真を見る】スーツをビシッときめて…2年間の英国留学を終えて帰国した「雅子さま」(1990年)
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異例の対応
植樹祭前日、天皇陛下は侍従を通じて以下の所感を公表された。
〈雅子には今回体調が整わず、伺うことができなかったことを大変残念に思っており、県民の皆さんと、今回準備段階から当日対応していただいている関係者の皆さんに、くれぐれもよろしくお伝えいただきたい、とのことでした〉
かような形で、陛下が行幸啓における雅子さまのお気持ちを代弁されるのは、即位後初めてのことだった。
皇室担当記者によれば、
「宮内庁は雅子さまの体調不良が理由としていますが、おわびとも取れる陛下の御言葉まで出したのは異例です。それだけ両陛下の申し訳ないとのお気持ちが強かったと察せられます」
そもそも両陛下にとって全国植樹祭は、全国豊かな海づくり大会、国民スポーツ大会、国民文化祭と共に「四大行幸啓」と呼ばれる大事な地方へのお出ましの一つ。毎年、さまざまな地方の実情を視察して国民と触れ合われる貴重な機会なのだ。
コロナ禍ではリモートでのケースもあったが、即位後の両陛下は欠かさず参加されてきた。それが今回、初めて雅子さまが欠席される事態となったわけである。
身も心も休まらない日々
適応障害を患われる雅子さまは、即位後もご体調の許す限り、地方へのお出ましをこなされてきた。
今年に限ってみても、1月は兵庫県で開かれた阪神・淡路大震災30年追悼式典にご臨席。4月には太平洋戦争の激戦地・硫黄島と、大阪・関西万博開会式にも足を運ばれている。
万博関連では、各国元首が来賓として続々会場入り。皇居へも表敬に訪れており、両陛下はデンマーク、スウェーデン、オランダの国王と夕餐を催された。
「GW前には春の園遊会もありました。今年上半期は、例年にないほど行事や来客が相次ぎ、雅子さまにとって身も心も休まらない日々が続いていたのです。実際5月9日に皇居で予定されていた『御養蚕始(ごようさんはじめ)の儀』は、風邪をひかれて延期となり、4日後に回復して無事に終えられましたが、いまだにご体調に波があるのは事実でしょう」(先の記者)