中国を訪問中の日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆院議長)の代表団は3日、北京市で李強首相と会談した。李強氏はトランプ米政権との貿易戦争を巡り「合意のために原則を譲ることはない」と強調した。
関税を大幅に引き下げる5月の米中合意について、李強氏は中国側の要望に沿ったものだとしたうえで「完全には解決されていない。今後も話し合っていく」とした。米国の一連の関税措置については「世界各国への挑戦だ」と改めて非難し、河野氏らに「日本の経済界にも(中国の)ドアは常にオープンとなっている。ますますの投資も希望している」と呼びかけた。
米中合意を巡っては、トランプ大統領が5月30日にSNS(交流サイト)で「中国が米国との合意を破った」などと批判。中国政府も「事実に反する」(商務省)と反論するなど、再び緊張感が高まっている。【北京・松倉佑輔】