誰もが自分なりの「マイルール」を持っているものです。特に婚活の現場では、この個人的なルールが成婚への道を左右することが少なくありません。自身の基準を強く信じるあまり、それに合わない相手を受け入れられないケースが見られます。本記事では、仲人の視点から、婚活における「マイルール」が成功への支えとなるのか、それとも障害となるのか、具体的な事例を通してその影響を探ります。
婚活中の男女がそれぞれの「マイルール」について考えている様子のイメージ画像
事例:お見合い時間の固執
まりえさん(41歳、仮名)は、婚活を始めて5年になります。前の相談所で4年、現在の相談所で1年活動を続けています。この間、彼女には「お見合いはきっかり1時間」という明確なマイルールがありました。話がどんなに盛り上がっても、開始から55分が過ぎると会話をまとめる方向に持っていき、1時間が経過した時点で「今日はありがとうございました」と席を立つのが常でした。
ある日のお見合い相手、ようたさん(44歳、仮名)とは、珍しく話が非常に弾みました。いつものように55分を過ぎ、まりえさんが話を切り上げようとした時、ようたさんから「もう少しお話ししませんか?」という提案がありました。
なぜ「お見合いきっかり1時間」は問題なのか
しかし、まりえさんは次の予定(別の相手との2時間後のお見合い)が控えていたため、「次の予定がありますので、今日はこれで失礼します。よろしければ、またお目にかかりたいです」と伝え、席を立ちました。彼女は、次の相手に交際希望を出す可能性を示唆することで、今回の abruptness を緩和しようとしたのかもしれません。
婚活をしている人の中には、1日に複数人とお見合いを組むことも珍しくありません。複数の相手とのスケジュール調整を行う際、お見合い同士の間隔は、移動時間や会話が弾んだ場合の延長を考慮して、通常3時間程度空けるのが一般的です。
しかし、まりえさんは自身のルールとして「お見合いを1時間で切り上げるので、次の時間は2時間後で十分です。3時間空けるのは時間の無駄です」と主張していました。
仲人として、私はまりえさんに「話が盛り上がっているのに、相手がもっと話したいと言っているのを断ち切って席を立つのは、相手に良い印象を与えない可能性があります」と助言しました。しかし、まりえさんはこの点においても自身のルールを譲りませんでした。たとえ効率を重視したルールであっても、相手の気持ちや場の流れを無視する形になってしまうと、関係性の発展を妨げる要因となり得るのです。
この事例からわかるように、婚活における「マイルール」は、ときに効率や自己管理の助けとなる一方で、柔軟性や相手との自然なコミュニケーションを阻害する壁となり得ます。特に、相手の感情や状況を考慮しない一方的なルールは、成婚という目標から遠ざけてしまう可能性があります。婚活においては、自身のルールを見直し、状況に応じた柔軟な対応が求められるのかもしれません。
参考資料
https://news.yahoo.co.jp/articles/de3e314e9b2ddc46c4903c95bce644fb157bbe18