ウクライナ「スパイダーウェブ作戦」 ロシア空軍基地をドローン猛攻、戦略爆撃機など41機に被害 주장 – 映像公開

ウクライナ保安庁(SBU)は4日、ウクライナ軍が6月1日にロシア各地の空軍基地4カ所に対して無人航空機(ドローン)で実施した大規模攻撃、「クモの巣作戦」の映像を公開しました。保安庁は、この作戦によりロシア軍の爆撃機など計41機を攻撃し、その大部分が修復不能な状態になったと主張しています。さらに、ロシア軍の損失額は70億ドル(約1兆円)以上に上るとの見積もりを示しました。

作戦には合計117機のドローンが投入されました。ウクライナ軍は、ドローンをトラックの荷台に積み込み、ロシア国内の奥深くまで侵入。基地の近くで荷台上のコンテナの屋根を遠隔操作で開け、攻撃目標に向けてドローンを発進させたとのことです。この戦術は、比較的安価なドローンによって、敵の高価な兵器に壊滅的な損害を与えられることを改めて証明しました。ウクライナメディアは、ロシアの遠隔地にまで及ぶ広範囲の作戦であることから、「クモの巣作戦」と命名されたと伝えています。

保安庁によると、公開された映像はロシア北部ムルマンスク州のオレニヤ、西部イワノボ州のイワノボ、西部リャザン州のディアギレボ、東シベリア・イルクーツク州のベーラヤの4つの空軍基地で撮影されたものです。これらの基地はいずれも、ロシア軍がウクライナ各地への巡航ミサイル攻撃に用いる爆撃機の発着拠点となっています。映像には、攻撃を受けて駐機中の軍用機が炎上する様子などが捉えられています。保安庁は、損害を与えた敵機としてA50早期警戒管制機、TU95戦略爆撃機、TU22超音速戦略爆撃機などを具体的に挙げ、巡航ミサイルを搭載する軍用機の34%を破壊したと主張しています。

北大西洋条約機構(NATO)は4日、今回の作戦でロシア軍機40機以上が損害を受け、そのうち10~13機が破壊されたことを確認したと公表しました。NATO高官は、この攻撃によってロシア軍の巡航ミサイルによる攻撃能力や早期警戒能力が一定程度低下したとの見方を示し、「ロシア軍の防空能力の脆弱性が露呈した」と分析しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、この作戦の計画に1年半を費やしたことを明らかにしつつ、もしロシアが一時的な停戦に応じていれば、作戦は実行されなかっただろうと述べています。複数のロシア軍事専門家はソーシャルメディア上で、ロシア軍が長距離攻撃に不可欠な多数の軍用機を特定の場所に集中させていたことを指摘し、ドローン攻撃に対する防御意識の低さを批判しました。一方で、NATO高官は、ドローン防御のために爆撃機を分散させると、攻撃時の効率が低下し、軍の運用コストが増大するというトレードオフがあることにも言及しています。

ウクライナとロシアの両軍は、ドローンの機能向上において激しい開発競争を繰り広げています。NATOのまとめでは、ウクライナ領内に侵入するロシア軍の攻撃ドローンをウクライナ軍が妨害電波などで無力化できた比率は、2月の98%から4月には86%に低下しました。これは、ロシア軍が妨害電波の影響を受けにくい有線誘導型ドローンの配備を進めていることなどが要因とみられています。一方、ウクライナ保安庁によると、今回の「クモの巣作戦」で使用されたドローンには、事前に地形や目標物などのデータを入力することで半自律的に攻撃を実行できる機能が搭載されていました。保安庁は、「ロシアの妨害電波によって操縦者からの信号が途絶えた後も、人工知能(AI)を用いることで、事前に計画した経路に沿って任務を遂行することが可能だった」と説明しており、ドローン技術の進化が戦況に与える影響はますます大きくなっています。

ウクライナの「スパイダーウェブ作戦」によりロシア・ムルマンスク州オレニヤ空軍基地で損傷したTU95戦略爆撃機(衛星写真)ウクライナの「スパイダーウェブ作戦」によりロシア・ムルマンスク州オレニヤ空軍基地で損傷したTU95戦略爆撃機(衛星写真)

[Source link]