ファミリーマートとローソンは5日、随意契約で調達した2021年産の政府備蓄米の販売を、東京都と大阪府の一部店舗で開始した。
セブン―イレブン・ジャパンも17日から売り出す予定で、3社とも全国に順次拡大する。大手スーパーなどで完売が相次ぐ中、コンビニの広範な店舗網を生かし、より多くの消費者に行き渡ることが期待される。
ファミマは1キロパックで税込み388円に設定。少量が入荷した東京都港区の店舗では午前8時の販売開始から約30分で完売した。7月中旬までとしていた全国展開を6月下旬に前倒しする。
同社は銘柄米の値下げにも踏み切る。現在取り扱っている国産コシヒカリ(1.5キロ1800円)など2品について、6月中旬から3週間程度、値引きセールを実施する予定だ。細見研介社長は「コメ問題の転換点になればいい」と意義を強調。視察に訪れた小泉進次郎農林水産相は「市場を沈静化させないといけないときに、タイムリーかつ的確にやってもらえて背中を押された気持ちだ」と謝意を示した。
ローソンもこの日、10店舗で販売を開始。東京都品川区の店舗では1キロ(389円)と2キロ(756円)を計20袋売り出し、2時間弱で売り切れた。14日以降、沖縄県を除く全国の店舗に広げる。
セブンは東京都、大阪府、四国4県の一部店舗から順次販売を始める。無洗米に加工し、価格は2キロ775円に設定する。