フジテレビの大型音楽特番『2025 FNS歌謡祭 夏』が7月2日に放送決定。長年親しまれる番組だが、フジテレビ内の混乱で今年の春特番は中止されていた。事実上の番組復活となる夏の放送に向け、先日出演者ラインナップが発表されると、インターネット上では「旧ジャニーズ忖度音楽祭」といった批判が相次ぎ波紋を広げている。その背景には、「旧ジャニーズ」こと旧ジャニーズ事務所の流れを汲むアーティストの多さが指摘されている。
「旧ジャニーズ忖度音楽祭」ネットで批判の声が相次ぐ
今回の第一弾発表によると、男性アーティスト計14組のうち、半数にあたる7組が旧ジャニーズ事務所関連となっている。具体的には、STARTO ENTERTAINMENTからtimelesz、Travis Japan、なにわ男子、NEWS、そしてソロとして中島健人が名を連ねる。さらに、旧ジャニーズ事務所前副社長の滝沢秀明氏が率いるTOBEからもCLASS SEVENとNumber_iが出演する。
こうした顔ぶれに対し、SNSでは「FNS歌謡祭も中止でいい」「司会に出演者の大半が旧ジャニ」「旧ジャニーズ忖度音楽祭」といった厳しい意見が多数投稿されている。男性出演者の半数が旧ジャニーズ関連という状況が、「忖度」と見なされる大きな背景となっているようだ。
フジテレビの現状と「安全パイ」なキャスティングの背景
このような「旧ジャニーズ偏重」とも取れるキャスティングの背景には、フジテレビが現在置かれている苦境がある、とある放送作家は指摘する。今年に入り、中居正広氏の女性スキャンダルなどもあり、フジテレビは番組中止やスポンサー離れといった混乱に見舞われている状況だ。
「こうした厳しい状況下だからこそ、番組制作を通して『新しいフジテレビ』の姿勢を見せてほしいと期待する視聴者も多かったはずです」と前述の放送作家は語る。しかし、今回のラインナップは、一定の視聴率が見込める旧ジャニーズ関連アーティストを多く起用する、いわば「安全パイ」な選択に見えるという。総合司会を長年務める嵐の相葉雅紀氏が続投している点も、「代わり映えしない」という印象を強める要因となっている可能性を指摘する声もある。
FNS歌謡祭 夏で初の共演が実現する、元Sexy Zoneの中島健人(左)とtimeleszの菊池風磨(右)
中島健人とtimelesz、待望の初共演にファン歓喜
一方で、今回のラインナップ発表には、一部のファンから喜びの声も上がっている。[internal_links]特に注目されているのが、今年3月末にSexy Zone(現timelesz)を脱退しソロ活動を始めた中島健人と、グループ名をtimeleszに改名し新たなスタートを切った旧メンバーたちによる初の音楽番組での共演だ。「中島健人 timelesz っていう字面だけで泣ける」「ついに共演!うれしすぎる」といった期待の声がSNSを賑わせている。
前出の放送作家は、「番組側はこうしたファン心理を織り込み済みでキャスティングしている可能性が高く、ある意味、ファンに対する『忖度』と言えるかもしれません」と分析。この初共演は、今回のFNS歌謡祭 夏における数少ない「ポジティブな話題」として、ファンの間で盛り上がりを見せている。
結論:新生フジテレビの姿はまだ見えず
来る7月2日放送の『2025 FNS歌謡祭 夏』は、出演者ラインナップを巡る「旧ジャニーズ忖度」との批判が波紋を呼んでいる。フジテレビの現状を背景にした「安全パイ」なキャスティングという見方がある一方、ファン待望の中島健人とtimeleszの初共演には期待が寄せられている。しかし、今回の騒動を見る限り、多くの視聴者が待ち望むような「新生フジテレビ」の姿は、まだ先になりそうだ。