朝ドラ「あんぱん」嵩の出征シーン、母・登美子の叫びにネット涙「生きて帰って」

6月6日に放送されたNHK連続テレビ小説「あんぱん」では、北村匠海演じる嵩がついに出征する場面が描かれました。見送りの場に現れた意外な人物、母・登美子(松嶋菜々子)の渾身の叫びが視聴者の感動を呼び、ネット上で大きな反響を呼んでいます。

赤紙を受け取り、出征の日を迎えた嵩。町の多くの人々が見送りに集まる中、養母である千代子(戸田菜穂)はただ泣き崩れることしかできませんでした。婦人会の民江からは「立派に見送れ」と促されますが、千代子は言葉を失います。そこへ、嵩の友人であるのぶ(今田美桜)が駆けつけますが、かけるべき言葉を見つけられずにいました。

NHK連続テレビ小説「あんぱん」より、出征が決まった主人公・嵩(北村匠海)NHK連続テレビ小説「あんぱん」より、出征が決まった主人公・嵩(北村匠海)

その時、集まった人々の中から「嵩!死んだらだめよ!」という、魂の叫びが響き渡りました。誰もが驚いて振り返ると、そこに立っていたのは、東京で再婚し、前日には口論したばかりの母・登美子(松嶋菜々子)でした。息子から「息子を傷つける天才」とまで言われた登美子が、遙々(はるばる)高知まで駆けつけたのです。

母・登美子の切なる願い

登美子は周囲の人々をかき分け、嵩の目の前に立ち塞がると、力の限り叫びました。「嵩、絶対に生きて帰ってきなさい!」「逃げ回ってもいい、卑怯者と言われてもいいわ。何をしてもいいから、生きて、生きて故郷へ帰ってきなさい!」

この登美子の言葉に、婦人会の民江は「立派に送り出すんだ!」と激しく反発しました。しかし登美子は、そんな民江に「立派に送り出す?戦争に行く我が子に『死んでこい』と言うのが、立派なことだと言うんですか?」と問い返し、首を振りながら再び叫びます。「死んだらだめよ!生きるのよ!必ず生きて戻ってくるのよ!」その様子を見ていた憲兵がすぐさま駆け寄り、「貴様は反戦主義者か!」と登美子を連行しようとしました。

のぶ、そして嵩の行動

登美子の母としての切なる願いに触発されたのぶも、畳みかけるように叫びました。「嵩! 必ず生きて帰ってきなさい!お母さんのために生き抜いて戻ってきい! 死んだら許さんき!」のぶもまた、憲兵に連行されそうになります。

そこで嵩は、張り詰めた空気を破るように声を上げました。「憲兵殿!母が取り乱しまして、大変失礼いたしました!私は必ず、立派にご奉公して参ります!」そう言って、事態を収拾したのです。

ネット上の大きな反響と感動

これまで息子を振り回し、自己中心的に見られがちだった登美子が、この場面で初めて見せた純粋な母親の愛情は、多くの視聴者の胸を打ちました。ネット上では、「今までの登美子の言動は、全てこの日のための伏線だったんだ」「今日の放送で一番泣けたのは、登美子母さんの『生きて帰ってくるのよ!』という魂の叫び」「社会の空気の中で誰もが言えなかった『生きて帰れ』を、登美子だからこそ言えた。そして、その言葉があったからこそ、のぶも本心を叫べた」「多くの人が心の中で思っていても、口にできなかった本当の願いを代弁してくれた」「きっと、千代子さんも心の中では登美子さんと同じ言葉を叫びたかったに違いない」といった感想が多数寄せられ、感動と涙が広がっています。

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