立花孝志氏、奥谷謙一県議中傷で書類送検 兵庫県知事選巡る騒動

政治団体「NHK党」党首の立花孝志氏(57)が、兵庫県知事選を巡り、斎藤元彦知事(47)の疑惑を調査する百条委員会の元委員長である奥谷謙一県議(39)をSNSで中傷したなどとして、名誉毀損と脅迫、威力業務妨害の疑いで書類送検された。立花氏は「政治的な事件で刑務所に行くことに対して、なんら恥でもないし怖くもない」と述べ、容疑を否認し争う姿勢を示している。

背景:斎藤知事の出直し選と奥谷氏の役割

この騒動は、斎藤元彦知事が元県民局長からのパワハラ疑惑などを告発され、不信任決議案可決に伴う失職を経て行われた“出直し選”に端を発する。立花氏は兵庫県知事選に立候補したが、自身の当選ではなく斎藤知事の再選を目的とする「二馬力選挙」を展開した。その過程で、百条委員会で知事の疑惑を追及していた奥谷氏が立花氏の攻撃対象となった。

奥谷氏への「攻撃」とSNS投稿

立花氏は選挙期間中、奥谷氏に対する批判を繰り返した。2024年11月1日には、自身のX(旧ツイッター)に以下のように投稿している。

《奥谷謙一委員長が、兵庫県民の敵です!こいつがマスコミに圧かけて、元県民局長の自殺原因を知事のパワハラにしています!》

自宅前での街頭演説

さらに、立花氏は11月3日、奥谷氏の自宅兼事務所前で街頭演説を行った。スピーカーを自宅の門に向け「出てこい奥谷!」と叫び、「ちょっとチャイムだけ鳴らしますか」とインターホンを鳴らした。そして、「出ないね。まぁあまり脅しても、奥谷さんが自死されても困りますので、これぐらいにしときますけど」と発言した。この演説には多くの聴衆が駆けつけ、様子はSNSでも拡散された。

奥谷謙一氏の自宅兼事務所前で街頭演説を行う立花孝志氏奥谷謙一氏の自宅兼事務所前で街頭演説を行う立花孝志氏

奥谷氏の反応と恐怖心

奥谷氏は演説後まもなく母親を避難させたという。選挙後の11月21日、奥谷氏は本誌の取材に対し「恐怖心」を打ち明けている。県庁にも「奥谷の家の前におったけど、おれへんかったやないか」「奥谷の家の前におるけど、どこおんねん」といった内容の電話がかかってきていたといい、「私に批判的な人が来ていたんだろうな、と。そう思ったらとても怖いですよね」と語った。

刑事告訴と被害届の提出

奥谷氏は、SNSでの投稿が虚偽の内容で名誉を毀損されたとして、11月22日に立花氏を刑事告訴した。また、自宅兼事務所前での演説についても、脅迫と威力業務妨害の容疑で被害届を提出した。これを受けて県警は捜査を進め、今年6月4日、立花氏を名誉毀損と脅迫、威力業務妨害の疑いで神戸地検に書類送検した。

書類送検後の立花氏のコメント

立花氏は、奥谷氏が刑事告訴した後の昨年11月22日に行われたYouTubeの生配信で、今年1月の南あわじ市長選挙に立候補することを明かした上で、奥谷氏に対し「奥谷、宣言しとくわ。俺、1月19日からもっかい選挙あんねん、淡路島でな。淡路島で選挙出ても、神戸市北区で選挙運動してもええねん。もっかいお前の家行ったるから」と発言。「選挙運動されてな、ビビるっておかしいやん」と主張し、「お前、百条委員会で意味わからない秘密会にしたんやろ」「データ漏らしたんや。責任とれよ」などと批判を続けた。

書類送検されたことを受けた6月4日のYouTube動画では、冒頭の発言のほか、名誉毀損の疑いについては「真実相当性があるということで、これは無罪」と主張。脅迫や威力業務妨害についても、「通常の人が恐怖を感じるような演説内容ではなかったと思います。もちろん、これは無罪を主張するということで」と述べ、改めて全ての容疑を否定し、司法の場で争う意向を示した。

出典

Source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/25980b414406dda3fc222481774ea9e529044f32