スマートフォンなどでゲームをする男性のうち、4割超が平日にゲームを2時間以上していることが27日、国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の調べで分かった。ゲーム時間が長くなるほど、「学業成績の低下」や「昼夜逆転」などの悪影響が顕著だった。今年5月に世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を疾病と認定し、日本国内でも未成年者を中心に患者の広がりが深刻化する中、ゲーム依存度と生活上のリスクとの高い相関性が示された。
同センターの樋口進院長によると、ゲームや生活への影響に関する全国規模の実態調査は初めて。ただ、WHOがスクリーニング検査の基準を示していないため、ゲーム障害の推計人数などは算定していない。
調査は、インターネット依存の専門外来を持つ同センターが今年1~3月、10~29歳の男女9000人を対象にアンケートを実施。5096人(男性2546人、女性2550人)から回答があり、年齢別の人口比を踏まえて結果を調整した。
それによると、過去12カ月間に男性の92・6%、女性の77・4%がゲームで遊び、それぞれ76・7%、85・5%がスマホを使っていた。平日のゲーム時間は、男性の43・5%が2時間以上に及び、3時間以上は24・6%、6時間以上も3・7%いた。女性は2時間以上が19・7%。男女とも休日は平日より長かった。
ゲームの影響としては、「学業成績や仕事のパフォーマンスの低下」や「昼夜逆転やその傾向」などを質問。いずれも平日のゲーム時間が長いほど悪影響が見られ、6時間以上になると、成績・パフォーマンスの低下は29・8%、昼夜逆転は50・4%に上った。樋口氏は「ゲームで学業がおろそかになっている危惧がある」と指摘している。