現在開催中の大阪・関西万博は、開幕から約2ヶ月が経過しました。都市部、特に東京にいると、その盛り上がりが肌感覚として掴みにくい状況です。周囲で万博の話を聞く機会も少なく、意識していなければその存在を忘れそうになる人もいるかもしれません。大型連休が終わり、夏休みを控えるこの時期は、遠出を控える人が多いのかもしれません。夏になれば、また万博の話題を聞くことも増える可能性はあります。このような時、ふと思い出されるのが、40年前に茨城県つくば市で開催された国際科学技術博覧会、通称「つくば万博」です。そして今回、そのつくば万博と不思議な縁を持つとされる常磐線の駅、「ひたち野うしく駅」に焦点を当ててみます。
ひたち野うしく駅、常磐線のどのあたり？
この「ひたち野うしく駅」は、常磐線の牛久駅と荒川沖駅の間に位置しています。より広範に見れば、取手駅から土浦駅の間にあたり、東京駅からは電車で1時間強の距離にある、茨城県牛久市に属する駅です。
つくば万博と縁深い常磐線「ひたち野うしく駅」の外観。新しさを感じる駅周辺風景。
つくば万博とアクセス駅
1985年に開催されたつくば万博の会場は、茨城県つくば市でした。万博会場へのアクセス駅といえば、現在のつくばエクスプレス線にあるつくば駅を想像する人もいるかもしれませんが、つくば万博当時の状況は異なり、常磐線の別の駅が重要な役割を果たしていました。（※「ひたち野うしく駅」ではない）
牛久市の知られざる顔
牛久市といえば、巨大な牛久大仏が全国的に有名です。また、歴史的には水戸街道の宿場町として栄え、日本初の本格的ワイン醸造場とされる牛久シャトーもよく知られています。しかし、牛久大仏は常磐線の駅からはかなり離れた場所にあり、かつての宿場や牛久シャトーも主に牛久駅周辺に集中しています。
新しい駅なのに、なぜ万博と関係が？
それに対し、「ひたち野うしく駅」は、そのひらがな表記の名前からも新しさを感じさせるように、1998年に開業した比較的新しい駅です。つくば万博が開催されたのはそれよりずっと前の1985年ですから、「開業が後の駅が、なぜ過去の万博と関係があるのだろうか？」という疑問が自然と浮かび上がります。
謎の関係性を探る第一歩
この「ひたち野うしく駅」と1985年のつくば万博との間にある、一見すると謎めいた関係性。その答えを探るべく、まずはこの駅とその周辺を実際に歩いてみることから始めたいと思います。
