お笑いトリオ「コント赤信号」の渡辺正行氏が9日、フジテレビの情報番組「サン!シャイン」に出演し、現在のコメ価格高騰問題について言及しました。この問題は、新しい農林水産大臣である小泉進次郎氏の打ち出す対策や発言を巡り、与党内からも異なる意見が出るなど、大きな注目を集めています。
お笑いタレント・渡辺正行氏、コメ価格高騰問題について語る
コメ価格高騰の背景と現状
国内の米価は、昨年夏ごろから円安に伴う輸入価格の上昇や物流費の増加などを背景に、物価高の流れの中で上昇が始まりました。総務省が5月23日に発表した4月の全国消費者物価指数によれば、コメ類は前年同月比で98.4%という大幅な伸びを記録し、7カ月連続で過去最大の上昇幅を更新しています。これは、食卓に欠かせない主食の価格が家計に重くのしかかっている現状を示しています。
新農相・小泉氏の対策と発言
「コメは買ったことがない」などの発言で事実上更迭された江藤拓前農水相の後任として、衆院神奈川11区選出の小泉進次郎氏が5月21日に農水相に就任しました。小泉新農相は、高騰対策として政府備蓄米を随意契約により安価で市場に放出するなどの措置を講じています。
小泉氏は5日の衆院農林水産委員会での質疑において、コメ価格高騰の要因の一つとして、一部卸売業者の高い営業利益を指摘。「売上高は前年比で120%を超え、営業利益は対前年比500%近い会社もある。他の大手も250%超」と具体例を挙げ、「こういったことも含めて、よくお考えいただきたい」と述べました。さらに、高騰が収まらなかった場合の対応として、翌6日には「緊急輸入も含め選択肢」とする可能性に言及し、波紋を広げました。
自民党・森山幹事長の懸念
一方、自民党の森山裕幹事長(衆院鹿児島4区)は7日、盛岡市での党会合の場で、コメ価格高騰対策に関する小泉農水相の発言に対し、国内農業保護の観点から異なる見解を示しました。森山氏は「主食であるコメを外国に頼ってはいけない。何としても国産で、国民に安心してもらえる農業政策を打ち立てていくのが大事だ」と強調。主食用米の安易な輸入拡大には否定的な考えを示唆し、与党内での意見の相違が表面化しました。
渡辺正行氏が語る農家の声
こうした状況について、渡辺正行氏は番組内で自身の兄がコメ作りをしていることに触れ、その声を紹介しました。兄は外国米輸入の話を聞き、「そりゃあ困る」と即座に反応したそうです。その理由として「日本のコメの値段が崩れるから、やってもらっちゃ困る」と語ったといいます。これは、消費者が安く買えるメリットと、農家が価格下落によって経営難に陥るリスクという、問題の二面性を浮き彫りにしました。
カズレーザー氏の分析
番組共演者であるカズレーザー氏は、小泉農水相の「緊急輸入」発言について自身の分析を述べました。カズレーザー氏は「これは一時的な措置なんだっていうのをはっきり言ってくれて。ずっと安いままっていうのは農家として無理があるんじゃないか、適切な価格を目指していこうという発言が執拗なのかなと思います」とコメント。農家の視点にも配慮しつつ、一時的な市場安定化を目指す小泉氏の意図を推察する見方を示しました。
コメ価格高騰問題は、単なる物価上昇に留まらず、日本の食料安全保障、国内農業の保護、そして消費者家計への影響が複雑に絡み合う課題です。新農水相による対策や、それに対する与党内の様々な反応は、この問題の根深さと、適切なバランスを見出すことの難しさを示しています。今後の政府の動向、そして市場や農業現場への影響が引き続き注目されます。
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/db915a8ef5a75de7f18ccd7a037eb3bce2677d52