中居正広氏、第三者委員会報告に反論 女性トラブル巡る新たな展開

芸能界を引退した中居正広氏を巡る女性トラブルと高額な賠償金問題に端を発した一連の騒動は、フジテレビ経営陣の問題など未解決の部分を残しつつも、同局の設置した「第三者委員会」による調査報告の発表をもって、ひとまず区切りがついたかのように見られていました。しかし、ここに来て新たな展開がありました。中居氏側が、その調査報告書に対し反論を行ったのです。

中居氏側の「性暴力否定」と証拠開示要求

今年5月12日、中居氏が代理人弁護士を通じて、第三者委員会の調査報告書に対する反論を発表しました。代理人弁護士が中居氏本人に詳細な聞き取り調査を行った結果として、《『性暴力』という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されない》と主張。中居氏の「人権救済」のため、委員会に調査時の証拠開示を請求したのです。

第三者委員会はこれに対し、《当委員会の事実認定は適切であったと考えております》と中居氏サイドに回答しました。しかし、中居氏の代理人弁護士は《釈明要求に全く答えておらず到底承服できない》として、中居氏へのヒアリング時の音声データなどの開示を引き続き強く求めています。

元芸能人の中居正広氏。第三者委員会報告への反論で再び注目の的となっています。元芸能人の中居正広氏。第三者委員会報告への反論で再び注目の的となっています。

この中居氏側の主張に対して、世間からは《呆れた》《往生際が悪すぎる》といった厳しい声が噴出しています。それだけでなく、代理人を務める弁護士に対しても批難が集まっています。全国紙記者によると、弁護団の中心となっているのは、かつて著名な企業のお家騒動で娘側を勝利に導き名を知られた女性弁護士とのこと。「性暴力に関する法改正のことは当然知っているはず。女性の気持ちをわかっている、女性の味方であるはずの弁護士が、クライアントのためとはいえ今回のような主張をすることに、反発の声が多く上がっている」と語られています。

それでも、中居氏の代理人弁護士は5月30日、第三者委員会に対し、改めて中居氏のヒアリング時の記録など証拠を6月6日までに開示するよう求めたと報じられています。

女性との「親密な関係性」主張と厳しい復帰論

中居氏サイドが発表した、証拠開示を求めた文書の中では、女性との関係性についても言及されています。

《2023年6月2日当時、中居氏と相手側女性の間には、雇用・指揮監督関係や、上下の業務的権限関係は存在しませんでした。また両者には複数回の会食の機会があり、中居氏と彼女は家族やプライベートの出来事に関して様々なやりとりもあり、メールで「勇気づけられた」等のお礼をもらうような関係でもありました。「両者に圧倒的権力格差があった」等の理由で業務起因と位置づけていますが、「業務の延長線上」の具体的な定義や外縁が本調査報告書に示されていません》

この記述からは、女性との間に一方的な関係性はなく、むしろ親密な関係だったと主張したい意図がうかがえます。しかし、この主張に対してもSNS上では《とんだ勘違いヤロウ》といった否定的な声が多数上がっている状況です。

テレビ局関係者は、今回の反論や主張について厳しく見ています。「ヒアリングの記録を全て開示したとしても、中居さんが有利になる、評価が変わるとは思えません。そこまで言うなら、お互いに守秘義務を解除して、記者会見でも開いて自分の口ですべて話せばいいのでは」と疑問を呈しています。さらに、「“激しい抵抗がなかったから同意があったと思った”と主張するのは、性犯罪者のよく使う弁明ですからね。そんな人物が芸能界のド真ん中に戻ってくるのは、正直に言って無理です」と、中居氏のテレビ復帰の可能性を完全に否定しています。関係者によれば、「復帰論」はファンや親しいタレントたちの願望でしかなく、このままでは「あの人は今」といった類の番組出演すら難しいだろうとの見方を示しています。

反論が招いた波紋と今後の課題

テレビ復帰を望む声がある一方で、現状を鑑みる限り、それは極めて困難であると言わざるを得ない状況です。また、中居氏が反論を発表したことで、被害を訴えている女性が再びインターネット上での誹謗中傷に晒される事態も伝えられています。自身の晩節をさらに汚し、代理人弁護士の評判にも傷をつけ、さらに被害女性を苦しめる結果となった今回の「反論」が、一体どのような意味を持つのか、疑問が投げかけられています。

この一連の騒動が、今後中居氏の活動や評価にどのような影響を与え続けるのか、引き続き注視していく必要があります。