河野太郎防衛相は12月中下旬に中国・北京を訪問し、魏鳳和(ぎ・ほうわ)国務委員兼国防相と会談する方向で最終調整に入った。防衛交流の拡大に向けて意見交換するほか、自衛隊と中国軍の偶発的衝突を避けるための「海空連絡メカニズム」で防衛当局間のホットライン開設について協議する見通し。
実現すれば、平成21年3月の浜田靖一氏以来、10年ぶりの防衛相訪中となる。来春の習近平国家主席の国賓としての来日に向け、環境整備を図る狙いもある。
日中関係は22年9月の尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖での中国漁船衝突事件で悪化し、防衛相の訪中も行われなかった。だが、昨年10月に安倍晋三首相と習氏が防衛交流拡大を確認。今年6月には岩屋毅前防衛相と魏氏がシンガポールで会談し、年内訪中を目指すことで合意していた。
海上自衛隊は今年4月の中国での国際観艦式に護衛艦を派遣し、10月には中国軍艦船が10年ぶりに日本に寄港した。