木村拓哉と織田裕二の新作映画、フジテレビ低迷救う「救世主」となるか?

来年公開予定の新作映画を控える木村拓哉さん(52)と織田裕二さん(57)は、現在のフジテレビにとってまさに「救世主」と目される存在です。両氏の主演する大作が、局の苦境を脱する起爆剤となるか、注目が集まっています。

過去の伝説的作品出演時の若き木村拓哉と織田裕二。フジテレビ復活への期待を背負う二人。過去の伝説的作品出演時の若き木村拓哉と織田裕二。フジテレビ復活への期待を背負う二人。

教場 劇場版の詳細

木村さん主演の劇場版『教場』は、長岡弘樹氏の同名小説が原作です。2020年1月のSPドラマに始まり、2021年に『教場2』、2023年4月期には月9枠で前日譚『風間公親-教場0-』が放送され、シリーズとして定着。その集大成として、2026年に劇場版公開が発表されました。一部報道では、前後編の2部作になるとも囁かれています。

この劇場版『教場』の撮影は、すでに4月から開始されており、8月までの長期間にわたるといいます。主演の木村さんへの注目はもちろん、生徒役の豪華キャストや、『教場0』で風間公親に逃げられたラスボス・十崎(森山未來さん演)との宿命的な対決の行方も大きな見所として話題に上っています。ジャンルは異なりますが、木村さんが主演したドラマ経由の映画で大ヒットした『グランメゾンパリ』(興収40億円突破)の成功例から、劇場版『教場』もまた高い興行成績が期待されています。

踊る大捜査線 N.E.W.の詳細

一方、織田さん主演の最新作『踊る大捜査線N.E.W.』を控える『踊る』シリーズは、1997年1月期の連続ドラマからスタートし、映画シリーズとして国民的人気を博してきました。2012年公開の劇場版『THE FINAL』で一度完結しましたが、昨年10月には柳葉敏郎さん演じる元警察官僚・室井慎次を主人公としたスピンオフ映画2作が公開され、こちらも約17億円の興行収入を記録し健在ぶりを示しました。

『踊る』シリーズは何と言っても圧倒的な数字を持っています。特に、2003年公開の映画第2作『レインボーブリッジを封鎖せよ!』は興行収入173.5億円という驚異的な数字を叩き出し、これは20年以上にわたり邦画実写記録のトップに君臨しています。スピンオフを含む映画シリーズ累計興収は500億円を突破しています。そして今回、2012年の『FINAL』以来12年ぶりに、織田さん主演の『N.E.W.』が満を持して公開されるのです。

フジテレビの現状と映画への期待

このような背景から、フジテレビ関係者の間では、劇場版『教場』と『踊る大捜査線N.E.W.』の2作品合わせて、興行収入100億円突破を目指したいという強い期待が聞かれます。現在、フジテレビは「中居氏・フジテレビ問題」に端を発する苦境に立たされており、何としても状況を好転させたいという思いがあります。

その苦境を具体的に示すのが、今年5月16日に親会社のフジ・メディア・ホールディングスが発表した2024年度決算報告です。前年度の黒字から一転、328億円の大幅な赤字を計上しました。6月25日には定時株主総会が予定されており、この経営不振について株主から厳しい追及があるなど、大荒れとなることも予想されています。

木村拓哉さんと織田裕二さんという日本のエンターテインメント界を代表する2大スターによる、人気シリーズの最新作映画。この2本の大作が、現在のフジテレビの経営状況を改善し、新たな風を吹き込む「救世主」となるのか。その興行成績とフジテレビの今後の動向に、多くの注目が集まります。