人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイ役などで知られる声優の林原めぐみさん(58)が2024年6月9日、インターネット上でトレンド入りしました。これは、彼女が8日に公開したブログ記事「興味がない、わからない、知らない」が賛否両論を巻き起こしたためです。ブログの内容の一部は、物議を醸したことを受けて9日までに「以下変更」として修正されましたが、SNS上では「政治的な発言をして叩かれるのはおかしい」「排外主義だ」「まともなことを言っているだけ」など、様々な意見が飛び交う事態となっています。今回の記事では、林原さんのブログ投稿の具体的な内容、修正の経緯、そしてそれに対する社会の反応について詳しく解説します。
政治的発言で物議を醸している声優・林原めぐみさんの肖像写真
ブログ投稿の具体的な内容とその波紋
林原さんのブログ記事は「興味がない、わからない、知らない」という問いかけから始まり、「で いいんだろうか 本当に心配になって来ました」と現在の日本の状況に対する憂いを表明しています。特に注目を集めたのは、政治や社会問題に対する彼女の考えを示した部分です。
修正前の記事では、特定の韓国人YouTuberに言及し、日本のテレビが伝えない現地の声や報道規制を示唆する内容が含まれていました。これに対し、韓国の友人から「今、韓国は国内で右派、左派で対立があり貴方が右派を支持するみたいにとれる発言は左派が悲しむ。また逆に左派を支持するような発言をしたら右派が悲しむ」「いらぬ争いに火をつけることになる」と怒られた経験が語られています。
林原さんは、自身が「部外者」であるにも関わらず安易に外国のデリケートな問題に触れてしまったことで悲しむ人がいるという事実を認め、「既に傷ついてしまった人に手は伸ばせないけれどこれ以上傷つく人が増えないように。その部分を割愛しました」とブログを修正した理由を説明しました。しかし、その上で「声を上げる事すら冷ややかに日本が日本に[無関心]な事がとにかく悲しいと伝えたかった」と、自身の投稿の真意は日本の現状に対する危機感にあることを強調しました。
投稿の核心部分:日本社会への提言と懸念
ブログの修正後も残された部分には、林原さんが日本の社会や政策、そして国民の意識に対して抱いている具体的な懸念や提言が記されています。彼女は特に以下の点に言及し、問題提起を行いました。
まず、海外からの留学生に対して無償の補助が行われている一方で、日本の学生が奨学金という名の「借金」を抱えなければならない現状を挙げ、「人任せじゃなく ちゃんと選挙に行かなくちゃいけない」と投票の重要性を訴えました。「『どうせ』とか『変わらない』は使ってる場合じゃないとこに来てしまっていると思う」と、諦めムードが漂う日本の状況に警鐘を鳴らしています。
さらに、日本の独自性が失われつつあることへの危機感を示唆。「このままだと 日本の日本らしさが マナーも、態度も、技術も もしかしたら、表現の自由としてのアニメも」危うくなるかもしれないと憂慮しました。
また、一部の外国人観光客によるマナー違反や迷惑行為(民泊での問題、京都での竹の破損など)を取り締まることの必要性を強く主張。「規制を持たないと、そこはしっかり取り締まらないと やばい」と述べています。これは、外来種によって日本のザリガニがあっという間に駆逐されてしまった状況にたとえ、「並んで買う、とゆー暗黙のルールが損しちゃう世界になる」と日本の文化や習慣が失われることへの懸念を示しています。
「排外主義」との批判と林原氏の反論
林原さんの投稿は、一部で「排外主義」ではないかとの批判も招いています。これに対し、彼女は「どこか特定の国を否定している訳じゃない」と前置きした上で、「日本の税金は『まずは』税金を納めた人達へ(納めた在日外国人は勿論含む)日本の[被災地]に 今日本を支えている学生に使って欲しいと思うのは排外主義と言われるのかしら」と疑問を投げかけました。これは、納税者や被災地、将来を担う日本の学生といった国内への税金投入を優先すべきだという考えを示し、その考えが安易に排外主義とレッテル貼りされることへの複雑な心境を表していると言えます。日本の内部が疲弊すれば、外国人観光客などに対する「おもてなし」もできなくなるという現実的な視点も付け加えています。
最後に、彼女は「裏金の方が酷いし問題だけど とにかく、選挙権がある人は(18歳からね) 今一度、その権利を考えて欲しいと言いたかった」と述べ、政治的な発言をすることの難しさを改めて表明しています。
修正前の内容とメディアへの言及
今回の騒動では、ブログの修正前の内容も注目されました。前述の韓国人YouTuberに関する記述に加え、日本の「テレビ」が現場の声を伝えない状況や、韓国のテレビも放送しない内容があり、「今、日本でも起きている 怖い事に繋がる まさかの報道規制」に言及していました。また、「だれ?何?なんのこっちゃ?だよね。実際『陰謀論』とも言われているし 気になる人は探って見て下さい 『自分の目』で判断してください」と、公式メディア以外の情報源や陰謀論にも触れつつ、読者に自身の目で判断することを促す内容が含まれていました。これらの記述が、特に物議を醸した部分の一つと考えられます。
結論
声優・林原めぐみさんのブログ投稿は、日本の政治、社会、文化、そしてメディアのあり方に対する率直な意見が、多くの人々の関心を引きつけ、激しい議論を巻き起こしました。海外からの留学生に対する優遇や外国人観光客のマナー問題、日本の学生の奨学金問題、そして国民の政治への無関心といったテーマは、現代日本が直面する課題として多くの人が関心を持つ一方、非常にデリケートな問題でもあります。林原さん自身が語るように、著名人がこうした政治的・社会的な問題について発言することの難しさが浮き彫りになった形です。今回の件は、日本の現状に対する様々な視点が存在すること、そしてオープンな議論の難しさを改めて示唆しています。
参考資料:
よろず~ニュース (Yahoo!ニュース) 林原めぐみさんブログ炎上「政治的発言は難しい」修正前は「報道規制」示唆も