NHK連続テレビ小説『ばけばけ』の第5週が10月27日から始まり、そのストーリー展開だけでなく、「もうひとつの変化」が視聴者の間で大きな話題を呼んでいます。明治の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻・セツの人生をモデルにした本作は、主人公トキの人生のターニングポイントを迎える週となりましたが、注目すべきはオープニング映像に施されたある変更です。
視聴者の声がNHKを動かしたか?オープニングクレジットの変更
これまで、『ばけばけ』のオープニングは、主人公トキと夫ヘブンの写真を用いたシンプルな静止画スタイルが採用されていました。しかし、画面右側に表示されるスタッフやキャストのクレジット文字が「小さすぎて見えない」という声がSNS上で相次ぎ、視聴者からの改善を求める意見が多数寄せられていました。
この視聴者の声が届いたのか、第5週のオンエアではオープニングの文字サイズが変更されていることが確認されました。この変化に気づいた視聴者からは、X(旧Twitter)上で「なんか字デカくなってるよな?」「オープニングの文字が大きくなってる!役者さんの名前が読める」といった喜びの声が続々と投稿されています。芸能記者によると、ニュースサイト『Lmaga.jp』がNHKに問い合わせたところ、「総合的に判断し、第5週から出演者表記の文字サイズを変更しました」との正式な回答があったといいます。これは、視聴者のフィードバックにNHKが迅速かつ柔軟に対応した証拠と言えるでしょう。
前作『あんぱん』との対比:オープニングへのこだわりと視聴者ニーズ
今回の『ばけばけ』での対応は、前作の朝ドラ『あんぱん』とは対照的な動きとして注目されています。『あんぱん』は、「アンパンマン」の作者やなせたかしさんと妻・暢さんの昭和初期の人生を描いた作品で、今田美桜さんがヒロインを務めました。
前作朝ドラ『あんぱん』でヒロインを務めた今田美桜しかし、そのオープニングは、グリーンバックで撮影された今田さんの映像にRADWIMPSのロックナンバー『賜物』が流れるという、まるでCMか近未来的なプロモーションビデオのような雰囲気でした。この昭和の時代設定と現代的で合成感あふれるビジュアルのミスマッチは、放送開始当初から視聴者から大きな批判の声が上がっていたのは周知の事実です。
にもかかわらず、『あんぱん』のオープニング映像は最後まで変更されることはありませんでした。制作統括プロデューサーは、『賜物』についてRADWIMPSに「朝ドラの主題歌というイメージにとらわれずにチャレンジしてほしい」と依頼したと明かしており、作品の世界観よりも主題歌への強いこだわりが優先されていたことが伺えます。その結果、オープニングビジュアルの変更は特に検討されなかったのかもしれません。
『ばけばけ』が目指すは視聴率超えか
『あんぱん』自体は良作として評価されたものの、オープニングは「ほぼ唯一の残念ポイント」などと評されることが多かったのが実情です。今回、『ばけばけ』でNHKが視聴者の声を受けて迅速にオープニングの文字サイズを変更したことは、『あんぱん』での「反省」を踏まえ、オープニングを“聖域化”することなく、より柔軟な番組制作方針に転換した可能性を示唆しています。
視聴者の意見を真摯に受け止め、番組作りに反映させるNHKの姿勢は、今後の朝ドラ制作において重要な指標となるでしょう。この柔軟な対応が、最終的に『ばけばけ』の視聴率を『あんぱん』以上に押し上げることができるか、その動向が注目されます。
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