弁護士の菊地幸夫氏が10日、TBS系「ゴゴスマ~GOGO!smile~」にコメンテーターとして生出演し、政府が備蓄する備蓄米流通のスピード感に疑問を呈しました。特に、江藤拓前農相時代に一般競争入札で放出された備蓄米が小売店になかなか出回らなかった状況と、その後小泉進次郎農相が随意契約により放出した備蓄米が迅速に販売開始された状況の対比に焦点を当てています。
テレビ番組に出演し、備蓄米流通の疑問を呈する弁護士 菊地幸夫氏
江藤前農相時代の備蓄米流通の遅れとその説明
江藤前農相の時代には、一般競争入札で放出された備蓄米が消費者になかなか届かないという遅れが問題視されていました。農水省は当時、遅延の理由について、備蓄米の倉庫が東北地方などに偏在していることや、そこからの輸送に問題があることなど、様々な説明を行っていました。安全保障上の理由から、政府は倉庫の正確な所在地を公開していませんが、生産農家が多い東北に多く保管されているとの見方があります。江藤氏自身も、遅れの背景には倉庫の偏在や輸送の問題があると説明していました。
小泉農相による随意契約と迅速な流通の対比
これとは対照的に、小泉進次郎現農相が随意契約によって放出した備蓄米は、各小売店への引き渡し後、わずか数日で店頭に並び始めました。この迅速な対応を受け、番組MCの石井亮次氏は、以前の備蓄米流通における「目詰まり」の原因が何だったのか、解明が必要だと指摘しました。
この指摘に対し、菊地氏は「何だ?他の楽天とかアイリスオーヤマとかいろんな業者がやったら、数日で出たじゃないか?」と述べ、随意契約での迅速な流通を見る限り、以前の農水省による輸送や倉庫の偏在といった説明が妥当だったのか、改めて疑問を投げかけました。契約方式の違いによるこの流通 スピードの顕著な差は、今後の備蓄米の放出方法や管理体制について議論を呼ぶ可能性があります。
結論:残る備蓄米流通の謎
今回の備蓄米の放出では、一般競争入札と随意契約という契約方式の違いが、そのまま流通にかかるスピードの大きな差となって現れました。随意契約による迅速な市場供給は評価される一方、過去の遅延に関する説明の信憑性に対する疑問が残されています。政府には、国民の食料安全保障に関わる備蓄米流通について、より透明性の高い説明と、いかなる方式であっても効率的な流通を実現するための体制整備が求められます。