ロシア国営のロシア鉄道は9日、北朝鮮の平壌とモスクワを結ぶ旅客列車の定期運行を17日に再開すると発表した。北朝鮮鉄道省と合意したという。露朝の首都を結ぶ鉄道は、北朝鮮側の新型コロナウイルス対策で2020年2月に運行が停止されており、約5年4か月ぶりの再開となる。
発表によると、平壌と露極東ハバロフスクを結ぶ列車も19日に定期運行が再開する予定だ。平壌―モスクワ間は距離1万キロ・メートル以上で、直通の鉄道路線としては「世界最長」としている。所要時間は8日で、毎月2回運行する。平壌―ハバロフスク間は所要2日で、毎月1回運行する予定だ。
両国は、ロシアのウクライナ侵略を背景に関係を強化している。有事の際の相互支援を定めた「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結して今月19日で1年を迎える。互いの首都を結ぶ旅客列車の定期運行再開を通じ、人的交流も活発化させる狙いがありそうだ。
露側は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の年内訪露に向けて北朝鮮側と調整していると明らかにしており、正恩氏の訪露に鉄道が利用される可能性もある。