山尾志桜里氏、参院選公認取り消し 国民民主党に批判殺到した会見とは

国民民主党が今夏の参議院議員選挙に比例代表で出馬予定だった山尾志桜里氏の公認を取り消すことが6月11日に明らかになった。前日10日に行われた出馬表明会見には多くの批判が集まっていた。

国民民主党の参院選公認を取り消された山尾志桜里氏国民民主党の参院選公認を取り消された山尾志桜里氏

会見での釈明とその反響

会見冒頭、山尾氏は衆議院議員時代の地球5周分にもあたる高額なガソリン代の不正請求や議員パスの不正使用、そして2017年に週刊文春に報じられた弁護士の倉持麟太郎氏との不倫疑惑について謝罪した。しかし、質疑応答に入ると、質問の多くは不倫疑惑に集中した。政治ジャーナリストによると、2017年の報道後、山尾氏は会見で「男女の関係はなかった」と一方的に不倫を否定し、報道陣の質問には一切応じず会見を打ち切った経緯がある。その後、倉持氏の元妻はパニックに陥り、子どもの親権を譲渡。ショックから立ち直れないまま2019年にうつ病と診断され、翌2020年に自ら命を絶つという極めて重大な結果を招いたという。

会見では、1人目の質問者から改めて「男女の関係があったと認めるか?」と問われた山尾氏は、「大変申し訳ありませんが、当時お話した以上のことを…。どうしてもこの場で、新しく言葉を紡ぐことをどうかご容赦いただければと思います」と曖昧な回答に終始した。その後も、「国政議員として立候補する資格があると思うのか」「遺族の気持ちを考えているか」といった厳しい質問が飛び交うも「事情を存じ上げない」「今この場で話すのは控えさせてほしい」と、肝心の質問には答えず逃げるばかりだった。唯一、「不倫関係があったのかどうかはっきり答えてほしい」という趣旨の質問にのみ「8年前の会見で言ったこと、それはそのまま事実でございます」とはっきり否定したが、約2時間半に及ぶ会見を通して、具体的な言及を避け、説明責任を果たそうとしない姿勢は崩さなかった。

公衆の厳しい視線と国民民主党への影響

この会見の様子はX(旧Twitter)でも大きな注目を集め、「山尾志桜里」がトレンド入りしたが、その誠実さに欠ける山尾氏の姿勢に対する非難コメントが殺到した。「この態度は人として終わってる」「事実さえ否定とか恐ろしいな?」「人の命をなんだと思ってるんですか?」「当選したら血税で飯を食うのか」といった厳しい意見が多数見られた。また、会見中に使用した「紡ぐ」という言葉遣いにも、「紡ぐというのは美しい物語を語る時に使うもんだ。日本語を汚すな」「あなたが使って良い言葉ではない」といった指摘が寄せられていた。

国民民主党は昨年10月の衆院選で支持率を上げ、大躍進した野党第一党としてこれからが期待されていたが、山尾氏の擁立を発表してから支持率は下降傾向にあった。政治ジャーナリストは、彼女の出馬表明会見が説明責任を果たせていない残念なものだったと評し、批判の声がさらに大きくなったことで、国民民主党は支持率にますます大きな影響が出てくることを考慮し、公認取り消しに踏み切ったと分析する。事実、取り消しの発表前には、ネット上では「いつまでもこんなやつをおいておく国民民主には失望した」「投票の選択肢からは完全に消えました」といった党への厳しい批判も散見されていた。

今回の山尾氏の会見とそれに続く国民民主党の公認取り消しは、政治家の過去の行動に対する説明責任の重要性を改めて浮き彫りにした。国民からの厳しい視線は、今後の山尾氏自身の去就、そして国民民主党の戦略にも大きな影響を与えるだろう。

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